こんにちは、リブラです。

今回は「ミルトン・エリクソン心理療法<レジリエンスを育てる>」の第4章の解説です。

 

*ジョニーの大きな身体

 

12才の少年が両親に連れられて、エリクソンは診察室に来ました。

 

ジョニーは小さいときから毎晩おねしょをしていて、両親は思いつく罰はすべて与えたけれど改善しなかったといいました。

 

父親は独裁的で、ジョニーを折檻し、食べ物も水も与えず寝かすこともありました。

 

エリクソンはジョニーと2人だけになると次のように言いました。

「キミのお父さんは背丈が185センチで、すごくがっしりしていて100キロなんだよね。

 

キミはどのくらい?175センチか。体重は77キロもあるのかい?

12歳でそんなすごい身体になるには、筋肉と体力をつけるのにとてつもない量のエネルギーを使ってきたよね。

 

ジョニー、わたしはキミのおねしょを治すつもりはありません。

代わりに、いくつか話をしようと思います。

 

キミはこの見事な身体を12年間で創り上げました。

キミは大学で優れた運動選手になるでしょう。

 

しかも、そうなるのはまだずっと先です。

あとたったの23.5キロ増えるだけで、お父さんの体重を超えるんです。

大人になるまでにまだ9年あります。

9年で23.5キロ増やすんです。

 

キミならできます。

それがキミにはわかっています。

わたしにもわかっています」

 

ー「ミルトン・エリクソン心理療法<レジリエンス>を育てる」ーより

 

「わたしの声はあなたとともに」の「乾いたベッド」では、数百回にも及ぶ膀胱鏡のダメージで夜尿症になっていた少女にエリクソンは、ビックリしたとき尿が一時的に止められることを思い出させ、「尿を出すことも止めることもコントロールできるエクササイズ」を指導して、「乾いたベッド」で目覚める希望を与えました。

 

このときの少女も家族から夜尿症が治らないことで非難を受け、膀胱は修復されているにもかかわらず、心のダメージが夜尿症の治癒を阻んでいました。

 

誰でも普通にできることが自分にできないと思うと、人は劣等感や無力感に打ちのめされて「未来の希望」を描けなくなってしまいます。

 

この状態は、顕在意識(自覚のある意識)と潜在意識(自覚のない意識)の不調和を招きます。

 

顕在意識では「眠っている間は尿を留めておく」という指示を出しているにもかかわらず、潜在意識は「リラックスしている時間はいつでも尿を排出してよい」と身体に伝えてしまうのです。

 

常に周囲の非難にさらされ、この少年のように暴力的な罰まで加わるのでは、起きている時間はずっと極度の緊張状態で過ごすことになります。

 

非難する人間が傍にいなくても、起きている時間は顕在意識が自分を劣等感や無力感で責め立てます。

 

この少年にとって完全に自由になれてリラックスできるのは、睡眠時間だけという状態なのです。

 

エリクソンはこの状況を察知して、ジョニーの両親にセラピーに口出ししないこと、ジョニーに礼儀正しくすることを治療の条件に出しました。

 

12室(潜在意識~集合意識のハウス)にやぎ座キロン(苦手意識、癒し)を持つエリクソンは、自身が発達障害や小児麻痺など心や身が思うようにならない状態から、それらのハンデを越えて人並み以上の可能性を常に開いてきた精神科医です。

 

キロンは本人にとっては苦手意識でも他者にとってはヒーラー(癒し人)として働く天体です。

自分が歩んだ克服プロセスで、同じコンプレックスに悩む人々に共感しながら導いてあげられるからです。

 

誰もがキロンのいるハウスの分野で苦手意識を発生させますが、その克服プロセスは必ず同じ悩みを抱える人々を癒しに導くのです。

 

エリクソンが歩んできた克服プロセスは奇跡的な結果を生みましたが、彼にしかできないことなのかといえばそうではありません。

 

やぎ座キロンは無駄な努力など許しませんから、できることから順番に着実に現実化させていくのです。

 

身動きできないエリクソンが赤ちゃんを観察して二足歩行の練習をしたように。

 

エリクソンは今回のジョニーには、彼が既にできていること(身長と体重が成長していること)で「明るい未来」をイメージさせました。

イメージとそれにまつわる感情は言葉よりも着実に潜在意識に届くからです。

 

いつまでも独裁的な父親に支配されているわけでないことを、エリクソンは年を追うごとにジョニーの身長は伸び体重は増え、数年で父親に追いついてしまう未来を話すことで、彼の潜在意識に「未来の希望」の扉を開けさせ、「大学で優れた運動選手になるでしょう」と言って、その「未来の希望」の具体的なイメージを彼の心象に描かせたのです。

 

いて座の太陽(本来の自己)と天王星(変革)のコンジャンクションを持つエリクソンですから、「未来の希望」が「本来の自己」を目覚めさせ、自己変革の引き金を引き、人生を変えるパワーがあることを経験して知っていたのでしょう。

 

エリクソンが常人じゃないところは、レジリエンス(絶望状態からの回復力)です。

誰にでもできることを「未来の自分」を信じてやり続ける力です。

 

エリクソンの12室のやぎ座キロンは、いて座の太陽と天王星が掲げる「明るい未来の希望」を糧にレジリエンスを持続する技で不可能を可能にしてきたのです。

 

もし、あなたが自分にダメ出しや非難を浴びせたり罪悪感で責め立てていたとしたら、あなたの顕在意識はこのジョニーの父親と同じです。潜在意識の中を劣等感や無力感でいっぱいにしてしまうのです。

 

そんなことをしても良くならないだけでなく、顕在意識と潜在意識の連携はますます悪くなる一方でしょう。

 

心や身体が思うようにならないのは、意識の95%を占める潜在意識の逆襲に遭っている証拠です。

 

それより、エリクソンがしたように「明るい未来の希望」を自分に向けて話してあげましょう。

 

その話が気に入れば、潜在意識は「明るい未来の希望」のイメージを構築してレジリエンスのパワーを起動し、それを具現化する原動力を供給してくれます。

 

次回は「ミルトン・エリクソン心理療法<レジリエンスを育てる>」の解説を予定しています。

 

わたしのサロン、リブラライブラリーではあなたの心のしくみをホロスコープで解説し、心の制限、葛藤が引き寄せる現実問題にセルフヘルプで立ち向かえるようサポートします。

 

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新メニュー(月の欲求・土星の制限の観念書き換えワーク、キローンの苦手意識を強味に変えるワーク)が加わりました。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。