こんにちは、リブラです。今回はミルトン・エリクソンの本を題材に、潜在意識の世界を解説してこうと思います。

 

*日曜日に行われた土曜日の授業

 

ある医学生は、土曜日に授業があることをいつもすっかり忘れて欠席を繰り返していました。

エリクソンが講師を務めたときも、やはりその医学生は土曜日の授業を忘れていたので、代わりに毎週日曜日に特別授業をすることを提案しました。

 

エリクソンは日曜日に大学から20マイルも離れた病院に勤務することになっているので、授業をする時間はいつになるのかわからないこと、それでも朝8時から夕方4時までその病院にいて、与えた課題をやることを彼に約束させました。

 

エリクソンは「もし、わたしが数分遅れたとしても、わたしが君のことを忘れたと思わないように。

わたしは忘れません」と彼に言いましたが、最初の日曜日からエリクソンは勤務に夢中で授業のことは忘れてしまいました。

 

それでもその医学生は朝8時に病院に来て夕方4時までエリクソンの授業を待っていました。

 

次の週の日曜日も、その医学生はエリクソンが授業の約束を覚えていてくれることを祈りながら、朝から夕方の4時まで待ちました。しかし、エリクソンはまたもや授業のことを忘れてしまいました。

 

3度目の日曜日、エリクソンはその医学生にとても興味深い患者たちと面接する機会を与えました。

その面接にとても興味を引かれた彼は、その日4時になっても帰らず、5時までそこにいました。

 

その日曜日以来、その医学生は土曜日の授業を忘れず出席するようになりました。

 

ー「私の声はあなたとともに」ーより

 

わたしたちはお約束や義務を優先して考えますが、それはわたしたちの意識の5%ぐらいを占める顕在意識の意思です。

 

残りの95%の潜在意識がそのスケジュールが「嫌だ!」といったら、いろんな形で阻止してきます。

急に身体の調子が悪くなったり、遅刻をしたり、この医学生のように授業を忘れたり・・・。

 

大学からかなり離れた場所にある病院に朝から出かけ、夕方4時まで居て丸々日曜の休みを返上して来ているくらいの学生ですから、サボリぐせがあるとかではなく、ほんとうは授業を受けたいと思っているのは確かです。

 

しかし、それは彼の顕在意識が出席したいのであって、おそらく、彼の潜在意識は土曜日の授業を何らかの理由で受けたくなかったのです。

 

その理由は、日曜日に病院に来ているときの医学生の行動でわかります。

まず、その授業はその医学生のためだけの特別枠の個人授業です。

 

自分のためにわざわざ設定され、自分用の課題も用意されています。

こういう自分に向けられた『特別』さは大学のその他大勢に紛れて受ける授業にはありません。

その医学生は自分に向けられた『特別』さが欲しかったのがわかります。

 

それから、遠い病院に日曜日を返上して来ているのに、エリクソンに待ちぼうけを喰らってもなお、特別授業に出席し続ける彼は、「エリクソンが授業のことを覚えているように」と祈ることまでしていました。

 

こんなハラハラドキドキすることは、彼が忘れずに出席する月曜~金曜の授業ではけして体験できません。

「授業を受ける」というごく普通のことが、多大な努力してもなかなか得られないという危機にその医学生は「新鮮さ」を感じたのでしょう。

 

このことから、その医学生は大学の授業に興味を失っていたことがわかります。

 

ところが困ったことに、このことに彼の顕在意識は気づいていなくて、何度も土曜日の授業を忘れないよう意識するにもかかわらず、欠席をくり返していたのです。

 

このように、潜在意識の意向を無視して顕在意識が一方的にスケジュールを進めると、意識しているにもかかわらず、同じ失敗をくり返すことをわたしたちもよく体験します。

 

5%の顕在意識の力VS95%の潜在意識の力では、顕在意識が負けるのは当然ですよね。

でも、潜在意識の「No!」が顕在意識に届かないことは、日常茶飯事です。

 

わたしたちのエゴは、生き残るために外側の世界のお約束や義務を優先するからです。

潜在意識は、わたしたちの内側の世界を優先するので外側の世界は「知ったことではない!」のです。

 

この顕在意識と潜在意識のちぐはぐな関係が、「自分の身体や心なのに思い通りならない」現象を招きます。

 

エリクソンは優れた精神科医なので、そんな医学生への処方として「生きた学習」の機会を与えたのです。

 

その医学生は、病院で興味深い患者たちと面接したときは、帰りの時間より1時間も延長して残っていました。

自分から進んで残っていたのです。

 

つまり、エリクソンが与えた授業が新鮮で興味を覚えたわけです。

 

そして、たぶん、患者と面接したときに、もっと授業をしっかり受けていたら、さらに患者のことをよく診ることができたのにと思ったことでしょう。

 

その顕在意識の悔しさと、患者との面接で知った精神医学への新たな興味が彼の潜在意識に届いたのです。

潜在意識に最もダイレクトに届くの感情にまつわるイメージ(印象)だからです。

 

「精神医学がおもしろいのはわかった。大学の授業もおもしろく学べるだろう」と彼の顕在意識と潜在意識の授業に対するイメージは一致したのでしょう。

 

顕在意識と潜在意識が葛藤しなければ、必要な授業を忘れる心配はありません。

楽しみなことを忘れるはずはないのですから。

 

うっかり忘れてしまうことをくり返すときは、それは潜在意識の「No!」を伝えるサインかもしれません。

お約束や義務を優先して、顕在意識の意向ばかりを押しつけていないか、自問してみるとよいでしょう。

 

あなたの潜在意識が思いを浮上させて、問いかけに応えるチャンスを作ってあげましょう。

 

次回はエリクソンの「わたしの声はあなたとともに」の解説を予定しています。

 

わたしのサロン、リブラライブラリーではあなたの心のしくみをホロスコープで解説し、心の制限、葛藤が引き寄せる現実問題にセルフヘルプで立ち向かえるようサポートします。

 

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新メニュー(月の欲求・土星の制限の観念書き換えワーク、キローンの苦手意識を強味に変えるワーク)が加わりました。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。