こんにちは、リブラです。今回はミルトン・エリクソンの本を題材に、潜在意識の世界を解説してこうと思います。

 

*ハイディ・ホ、6歳の窃盗癖の女の子

 

エリクソンの診察室にある夫婦がやってきて、絶望的な様子で言いました。

 

「わたしたちの6歳の娘は、わたしのものも、妻のものも、友だちのものも盗むのです。

母親と買い物に出かけると、お店でも盗みます。

キャンプに行くと、他の子の名前が入っているものさえ持って帰ってきました。

 

そして、それらは母親が買ってくれたものだと嘘をつくのです。

この年齢で窃盗癖なんて、いったいどうすればいいでしょうか?」

 

エリクソンは、その夫婦に「何とかしましょう」と言い、その少女に次のような手紙を書くことにしました。

 

「親愛なるハイディ・ホ、あたいはあんたの、6つの子のための妖精だよ。

どの子にも年に合った妖精が1人ずついるんだよ。

だれもあたいを見たものはいない。

たぶん、あたいがどんな姿をしているかを知りたいだろうね。

 

あたいは、頭のてっぺんと額とアゴの下に目があるんだ。

だから、あたいは自分が見守っている子どもの何から何まで見えるんだよ。

 

あたいはあんたが多くのことを自分のやり方で学んだ様子を見て、とてもうれしかったよ。

いくつかのことは、他のよりも学ぶことはむつかしいね。

 

それからあたいは耳だってついている。

あらゆる方向のすべてを聞き取れるように、ほっぺたにも、首やからだの横や後ろ足やしっぽにもたくさんついているんだ。

だから、あたいはあんたがしゃべることやあんたが立てる物音をすべて聞きとることができんだ。

 

あたいにはね、1本の右足と3本の左前足がある。後ろ足は7本あるよ。

1本の足の内側には32のつま先がついている。それで字を書くのが下手なんだ。

だって、どのつま先に鉛筆を挟んだらよいのか、なかなか覚えられないんだもの。

 

あたいははだしで歩くのが好きなんだ。

でも、フェニックスの夏がどんなに暑いか知っているよね?

だから、7本の後ろ足の2本だけクツをはいている」

 

エリクソンは、その少女から7歳の誕生日会の招待状をもらいました。

でも、出席は辞退しなければなりませんでした。

 

なぜなら、手紙の中のエリクソンは、<7つの子のための妖精>ではなく<6つの子のための妖精>だからです。

その妖精は6歳の少女を見守り、彼女の話を聞き続けたに違いありません。

この物語が彼女をまっすぐにしました。

 

ー「私の声はあなたとともに」ーより

 

親からすれば6歳の我が子に盗み癖があり、嘘までつくとあっては絶望的な気分になるでしょう。

盗みや嘘をやめさせることばかり考えていたはずです。

 

でも、6歳の少女が盗みをするようになったのは、それなりの理由があるのです。

大人が大人の視点で眺めていたのでは絶対わからないところに、その理由は隠されています。

 

12室(潜在意識~集合意識のハウス)にやぎ座のキロンと火星と土星と木星があり、その対極の6室(貢献のハウス)にかに座海王星を持つエリクソンだから、6歳の少女の心に潜む苦しみがわかるのです。

 

キロンは他者には癒しとして働きます。やぎ座キロンだから、実際的で効果的な癒しとして妖精の手紙を書いたのでしょう。

 

火星は行動の意欲を起こします。やぎ座火星だから、「何とかしましょう」と少女の心の問題を請け負い、結果を出したのです。

 

土星は教育的指導をします。やぎ座土星だから、窃盗癖の問題を手がかりに<妖精の手紙>で少女の本音に迫り、心をまっすぐにすることを促しました。

 

木星は発展や拡大を促します。やぎ座木星だから、妖精の共感に支えられ、少女の7歳が始まる未来を開きました。

 

エリクソンの12室のこれら4天体の働きと共に、繊細な感情を汲み取るかに座海王星の直感が貢献するのです。

愛の欠乏感に苦しむ反抗期の少女の心にジャストフィットだったのでしょう。

 

手紙の中で妖精は、1人に1人ずつ、それもちゃんと担当する年齢が決まっていることになっています。

目も耳もたくさんついている妖精だから、ずっと少女を見守り、心のつぶやきをなんでも話を聞いてくれます。

 

しかも、少女の係の妖精は「6歳児専門」という設定です。

6歳の子の気持ちがわかってくれる妖精で、きっと少女は安心したことでしょう。

 

妖精は「あんたが多くのことを自分のやり方で学んだ様子を見て、とてもうれしかったよ」と少女の精神的成長を共に喜んでくれます。

 

そして、「いくつかのことは、他のよりも学ぶことはむつかしいね」と学びの難しさに共感してくれます。

字を書くのが下手」とか「なかなか覚えられない」とか、普段少女が感じていた劣等感をその妖精も持っていることは、さらに少女をほっとさせたことでしょう。

 

この少女が手紙の妖精と仲良しになれたのは、誕生会の招待状をエリクソンに送ったことからもわかります。

 

つまり、エリクソンの手紙が示す通り、少女は気持ちを分ち合える誰かを欲していて、その誰かはいつも自分を見守り、話を聞いてくれる存在で、彼女が抱える学校教育のストレスに共感を指名してくれる相手でなくてはならなかったのです。

 

そんな人間を実際に見つけることは難しいけれど、姿の見えない妖精の友だちだったら可能です。

 

エリクソンは、自分の本音を素直に打ち明けられる存在を自身の内部に持つ習慣をこの少女に着けさせたのだと思います。

 

この少女にとって、<妖精の手紙>は彼女のインナーチャイルドとの出会いになったはずです。

インナーチャイルドは子ども意識ですから、未熟でか弱い存在です。

 

みじめな気持ちや愛の欠乏感を1番ダイレクトに感じているのはインナーチャイルドなので、劣等感でいじけた気持ちを分ち合えるのです。

 

問題行動を起こして親の注意を引く試みは、反抗期の子どもの無意識レベルのよくある戦略です。

自我が芽生え、素直に気持ちを打ち明けられないから、強制的に親を自分に注目させるような行動をとってしまうのです。

 

反抗期の子どもは、その子と同じレベルに意識を下げないと仲良くしてくれません。

だからエリクソンは、子どもの患者と一緒になって病院の設備を壊す遊びをやって共感を得たこともありました。

 

架空の存在と対話するのは馬鹿げていると思うかもしれませんが、誰しもインナーチャイルドは存在しますから、挫折や失敗や劣等感や愛の欠乏感に苛まれるときは、その気持ちを分ち合える唯一の相手になります。

 

インナーチャイルドが1番それらの気持ちに苛まれていますから、挫折や失敗や劣等感や愛の欠乏感で苦しいとき本音を漏らすと共感してもらえてうれしいのです。

 

心の中のインナーチャイルドという<妖精>と仲良くして本音を打ち明けると、ネガティブな感情のガス抜きができ、感情で翻弄されなくなります。

6歳の少女が「窃盗」から「妖精とのコミュニケーション」にストレスのはけ口を変えたように。

 

次回はエリクソンの「わたしの声はあなたとともに」の解説を予定しています。

 

わたしのサロン、リブラライブラリーではあなたの心のしくみをホロスコープで解説し、心の制限、葛藤が引き寄せる現実問題にセルフヘルプで立ち向かえるようサポートします。

 

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新メニュー(月の欲求・土星の制限の観念書き換えワーク、キローンの苦手意識を強味に変えるワーク)が加わりました。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。