こんにちは、リブラです。今回はミルトン・エリクソンの本を題材に、潜在意識の世界を解説してこうと思います。
*ヒステリー球
エリクソンの診察室に自分は「ヒステリー球(咽喉頭異常感症;喉が詰まった感覚に囚われてしまう症状)」だと言う看護師が、患者として訪れました。
彼女は医師に何をするか指示を出す癖があり、そのせいで次々と病院を解雇されていました。
エリクソンが彼女の症状は「ヒステリー球ではなく、胃潰瘍だ」というと、「ふざけないでください。胃潰瘍なんかないことを証明しましょう」というと怒って帰ってしまいました。
それから間もなくして、彼女は3か所の放射線科医のところへ行き、レントゲン写真を抱えて戻ってきました。
彼女は「エリクソン先生は正しかったようです」といい、「どんな助言をいただけますか?」と尋ねました。
そこでエリクソンは「あなたはアルメニア人ですね。スパイスの効いた食べ物が好きでしょう。
毎日長電話をかけてくる妹さんと姪御さんの電話を切りなさい。
ふたりがあなたの胃を悪くしています。
そして、食事を楽しみなさい」と答えました。
1ヶ月後、彼女は新しいレントゲン写真を持って再び来院しました。
胃潰瘍は跡形もなく消えて治癒していました。
彼女の得意な表現は「わたしにはこれは飲み込めません」でした。
彼女は喉の痛みを表現しましたが、エリクソンは彼女の症状や話から胃潰瘍に違いないと診断しました。
エリクソンの与えた指示は「妹さんと姪御さんの電話を切りなさい」と「食事を楽しみなさい」ただけでしたが、その女性患者の胃潰瘍は跡形もなく消えてしまったのです。
ー「私の声はあなたとともに」ーより
今回登場した女性患者は胃潰瘍で「胃が痛い」はずなのに、なぜか「胃の痛み」ではなく「喉の苦痛」を感じていました。
そして、彼女の得意な表現は「わたしにはこれは飲み込めません」でした。
「飲み込みが早い」という言い回しがあるように、「飲み込み」=「理解」という意味で表現に使われます。
この女性が「わたしにはこれは飲み込めません」をよく表現に使うとしたら、彼女の意識は「理解できるのか、できないのか」にいつも焦点を当てているということです。
わたしたちは思考と意識で独自の世界観をマインドに構築します。
心理テストでコップの半分に入った水を、「半分残っている」と観るか「半分しか残っていない」と観るかは、その人のマインドに構築された世界観が関係しています。
ニュートラルな世界観で眺める人には「水は半分残っている」と映り、欠乏の世界観で眺める人には「水は半分しか残っていない」と映るのです。
目の網膜に映ったものをそのまま観ているわけでなく、自身のマインドのフィルターをかけてわたしたちは世界を眺めているのです。
別な言い方をすると、自分の世界をこの世に当てはめて観ているのです。
「わたしにはこれは飲み込めません」という表現をよく使う彼女のマインドには、「理解できるのか、できないのか」が判断基準の世界観が入っているということになります。
彼女のマインドには「知的に理解できるものは存在してよく、理解できないものは存在してはいけない」という観念があるのです。
彼女は看護師なので、自分の喉に炎症はないが痛みがあることから精神的な「ヒステリー球」と判断し、精神科医エリクソンのもとに訪れたのでしょう。
ところが、エリクソンは、彼女の痛みは「胃潰瘍から来ている」と言ったので、彼女はその話が「理解できない!(受け容れられない)」と思ったのでしょう(喉の痛みと胃潰瘍という病名がつながらなかった)。
客観的に彼女を見ると、彼女が自分の理解できる世界の中に閉じ込められているのがわかるでしょう。
自分の理解できる世界にしようとコントロールが働き、医師への指示出しでクビになることを繰り返していたのです。
彼女の病気は「ヒステリー球」ではなく「胃潰瘍」だったけれど、ほんとうの危機的問題は、自分の理解できる世界にしようするコントロールで職を奪われていることでした。
彼女の潜在意識はこの危機を克服させるために、「ヒステリー球」的症状を作り出し、精神科医エリクソンの受診を促したと考えられます。
結果的に、喉の痛みも、胃潰瘍も解決し、妹と姪の長電話の習慣をやめ、独りの食事時間を楽しむようになって、彼女のマインドの世界は「理解できること」で満たされ、落ち着きを取り戻したのですから。
マインドが安定するとニュートラルな視点に立てますから、外の世界まで自分仕様にコントロールしようとは思いません。
外の世界から自分を守ろうとする彼女のマインドが「飲み込めません」という言葉を頻繫に選び、そこに意識が向けられる度に身体は「飲み込めない」イメージを受け取り、そのイメージ通りの症状を現象化させて喉の苦痛を作り出していたのです。
わたしたちの潜在意識は深く身体とつながっています。
潜在意識はイメージを言語として使い表現するので、自分のマインドの世界観が荒んだり、窮屈になっているときは言葉として伝えてくるのではなく、イメージを送り身体に現象化させて表現する方が容易いのです。
スピリチュアルな言い方をすれば、肉体を取り巻くエーテル体(物質界に1番影響を与える見えない身体)のバランスがそのままイメージで肉体に伝わり、五感で感知できる現象となって現れるのです。
わたしたちのエーテル体は、思考と感情で「自分(セルフイメージ)」を形成しています。
何を考え、何を感じるのかでエーテル体のバランスを保っているのです。
そして、エーテル体に描かれる「自分(セルフイメージ)」に沿って近未来が引き寄せられるのです。
繰り返される思考と感情は、定着すると未来を創造するのです。
よく使う言い回しは、特に否定的イメージを伴う言葉は、なぜその言葉を使いたくなったのか考えてみる必要があります。
無意識に頻繫に使っているとそのイメージが身体に伝わり、定着すると現象化を招くからです。
例の女性患者は、長電話に侵食されて独りの時間を自分のために使うことできなくなっていたのを彼女の潜在意識がイメージで伝え、身体が胃酸で胃粘膜が侵食される胃潰瘍を現象化させて表現したのでしょう。
このように身体は潜在意識のメッセージを現象化させて見せてくれるのです。
調子が悪いときはもちろんのこと、調子が良いときもそれは身体と潜在意識の声だと思って受け止めていると、心と身体の信頼関係が深まります。
次回は「悪魔を出し抜け」の解説を予定しています。
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新メニュー(月の欲求・土星の制限の観念書き換えワーク、キローンの苦手意識を強味に変えるワーク)が加わりました。
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