こんにちは、リブラです。今回は、ナポレオン・ヒルの「悪魔を出し抜け!」第8章の解説です。

 

ヒル「人間心理の7つ原則の第1番目『目標を明確にすること』について、知っていることを1つ残らず話してください

 

悪魔「どんな人間も、目的や計画を明確にすることさえできれば、人生で望むものを何でも手に入れることができる

 

ヒル「それは言い過ぎでしょう。少しトーンダウンした方がよくないですか?

 

悪魔「とんでもない。トーンアップしたいくらいだ。

明確な目標を持った人間は、悪魔に対して心の扉を固く閉ざすことができる。

いったん心を閉ざされたら、『流される』という習慣をつけさせない限り、その意識に入り込むことはできなくなる」

 

ヒル「明確な目標とは、人間が生まれつき持っているものなのですか?

 

悪魔「人間はみな生まれながらにして、明確に生きるという特権を与えられている。

それなのに、98%の人間たちはぼんやり眠りこけている間に、その特権を失ってしまうのだ。

 

明確に生きるという特権を失わないためには、どんなときにも常にそれを人生の指針として心に掲げておくこと(明確な目標を持つ習慣)が必要だ」

 

ヒル「明確に生きることと物質的環境とは、何か関係がありますか?

明確な目標を持つことで力をつけた人間は、『代償の法則』(何かを得たことで何かを失う)によって報いを受けることはないのでしょうか?

 

悪魔「この質問は、答えるのが難しい。

なぜなら、現在も過去にも『代償の法則』のマイナスの効果を招くことなく明確な目標を持って生きる方法を理解している者はいないからだ。

 

わたしはいずれ、明確な目標をを持つことで一時的にわたしの手から逃れた人間を取り戻すつもりでいる。

人間の意識を権力欲や自己顕示欲で満たし、他人の権利を侵害するような習慣に引きずり込み、『代償の法則』の助けを借りて、その人間を再び自分のものとするのだ」

 

ヒル「明確な目標を持つことで力をつけると、それだけ危険も増えるということですね?」

 

悪魔「そうだ。さらに重要なことは、どんなに役立つ原則にも、必ずそれと同等の危険の種があるということだ」

 

ヒル「それはとても信じられないことです。

たとえば、『真実を愛するという習慣』のどこに危険があるというのですか?」

 

悪魔「危険はその『習慣』という言葉の中に潜んでいる。

常に明確な目標を持とうとする習慣を除いて、すべての習慣は人間を『流される』という習慣に引きずり込む。

 

真実への愛も、明確な目的があって求めるのでない限り、他の善意とさして変わらない。

おまえは、わたしが善意というものにどう対処するかはもう知っているはずだ」

 

ー「悪魔を出し抜け!」第8章よりー

 

ヒルの「明確な目標を持つことで力をつけた人間は、『代償の法則』(何かを得たことで何かを失う)によって報いを受けることはないのでしょうか?」の質問に対し、悪魔は「この質問は答えるのが難しい」と言っています。

 

これは悪魔の答えの出し惜しみではなく、悪魔の「分離思考」『代償の法則』を考えた場合、答えるのが難しいということでしょう。

 

おとぎ話の悪魔がよく取引きに使うのが『代償の法則』で、「希望を叶える代わりに、魂を代償にいただく」と言います。

わたしたちの社会も、労働してその対価を得る(その労働の間の時間とエネルギーを代償にする)という『代償の法則』により循環しています。

 

明確な目標を持ち何度も成功し、それを失う失敗を何度も経験したヒルは、「明確な目標を持つことで力をつけた人間」が得るものと失うものの大きさを知っているから、この質問したのでしょう。

せっかく得ても大切なものを失うのでは、それは真の成功とは言えません。

 

悪魔は「『代償の法則』のマイナスの効果を招くことなく明確な目標を持って生きる方法を理解している者はいない」と言っていますが、それはヒルがこの本を書いた70年前の話であって、現在ではありません。

 

現在では見えない世界のしくみがだいぶ明らかになってきたので、理解できる人は大勢いるでしょう。少し複雑ですが。

 

では「『代償の法則』のマイナスの効果を招くことなく明確な目標を持って生きる方法」とは、いったいどんな方法でしょうか?

 

それは「現在の自分と目標を達成する自分を切り離さない」ことです。

 

A.「明確な目標を志す自分」→「明確な目標に向かって努力する自分」→「明確な目標を達成する自分」

という時系列で捉えるのではなく

 

B.「明確な目標を志す自分」と「明確な目標に向かって努力する自分」と「明確な目標を達成する自分」

現在の自分の中に可能性として同時存在すると見做すのです。

 

Aは、「明確な目標を志す自分」が出発点で、「明確な目標に向かって努力する自分」を<代償>として「明確な目標を達成する自分」を得るという、わたしたちが通常考える3次元的なコースです。

 

Bは「明確な目標を志す自分」「明確な目標を達成する自分」という未来を先に確定する5次元的なコースなので、「明確な目標に向かって努力する自分」はあってもなくてもよくて、それは好みの問題になります。

要は「明確な目標を達成する自分」という未来を信じられればOKなのです。

 

今ここに「明確な目標を志す自分」がいるのは、未来の世界線に「明確な目標を達成する自分」が既にいるからという発想です。

 

「結局何がどう転んでも、こうなることは決まっていたのか」という体験をしたことはありませんか?

 

人生のシナリオには必ず避けて通れない魂意識が設定した<イベント>があり、わたしたちの魂意識はその<イベント>に欠かせない人物や出来事をタイミングよく出会わせるように、衝動を発生させるのです。

 

その純粋な衝動を受けとると、それが願望となり「明確な目標」として現れます。

ただし、「みんながそれを得ているから、わたしも人並みにそれが欲しい」という願望は、大衆意識によるヒプノティック・リズムに惑わされた願望なので、真の「明確な目標」にはなりません。

 

それから、根底に怖れの動機(ex.生活を安定させたいから結婚するとか、リストラが怖いから副業を始めるとか)があるのも

真の「明確な目標」にはなりません。

 

振り返ってみれば、事あるごとにずっとその方向の願望を抱いてきたなと思えるものが真の「明確な目標」になることが多いのです。

 

そして、「明確な目標を達成する自分」を自然にイメージできるようになってれば、それは潜在意識に届いたサインなので葛藤に邪魔されなければ、神羅万象・万物が「明確な目標を達成する自分」に必要な人脈や物や環境を引き寄せます。

 

また、『代償の法則』のポジティブ面が理解できるようになると、「先に与える(貢献する)」ことで『代償の法則』の力を「明確な目標」の達成に使っても、ネガティブ面の影響を防ぐことも可能です。

 

「先に与える(貢献する)」ことをリスクや損失と捉えてしまう悪魔の「分離思考」では、これもネガティブな代償と見做すのでしょうが、「先に与える(貢献する)」は自発的にする行為だから、奪われる感覚は発生せず、豊かなセルフイメージが身につきます。

 

次回は「悪魔を出し抜け」の解説を予定しています。

 

わたしのサロン、リブラライブラリーではあなたの心のしくみをホロスコープで解説し、心の制限、葛藤が引き寄せる現実問題にセルフヘルプで立ち向かえるようサポートします。

 

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最後まで読んでくださり、ありがとうございます。