こんにちは、リブラです。今回はミルトン・エリクソンの本を題材に、潜在意識の世界を解説してこうと思います。

 

*魔法の手品

 

エリクソンがインターンとして精神科で研修をしていたとき、非行少年のための児童相談所に行く仕事が回り番で始まりました。その仕事をスタッフのみんな嫌がり、エリクソン自身も苦痛に感じました。というのも、その少年たちは強い敵愾心があったからです。

 

エリクソンはその順番が初めて回ってきて、少年が睨みつけながら入室した瞬間、簡単な手品をやっていました。ただし、エリクソンは、わざと身体をよじって手品が少年に見えないようにしました。

 

すると少年は即座に回り込んできてその手品を見せるよう要求しました。それからというものエリクソンは対面の際いつも手品をしなければなりませんでしたが、その少年と最高の友だちになりました。

 

エリクソンはいくつか手品を覚えその噂が広まると、少年たちはみんなエリクソンに会いたがりました。

彼らはエリクソンから何かを得ることを欲したのです。

エリクソンもまた、彼らから得たいと思うものを手に入れました。

 

エリクソンはこのエピソードを引用して後輩の精神科医に

「あなたが彼らを遊ばせようとしていることを悟られなければ、彼らをあなたと遊ばせるようにするのは、簡単なことです」と信頼構築のコツを教えました。

 

ー「私の声はあなたとともに」ーより

 

敵愾心の強い非行少年たちが、エリクソンにだけ会いたがったのは手品で気を引いたからなのでしょうか?

そうだとしたら、すぐに飽きてしまったはずです。エリクソンは手品師ではないし、いくつかの手品しか覚えていないのですから。

 

「彼らはわたしから何かを得ることを欲したのです。わたしもまた、彼らから得たいと思うものを手に入れました」とエリクソンは言っています。

 

この「何か」を与えることができたから、少年たちはエリクソンに会いたがったのです。この「何か」とはなんでしょうか?

それは「自由意志を損なわない信頼」です。

 

少年たちは精神科医に会う前からその対面を嫌っていました。少年たちにしてみれば、大人たちみんな一方的に彼らを悪者とみなし、更生させる義務のためにやって来るのだと思っていたのでしょう。

 

けれども、エリクソンにそんな気配はありません。少年が入室しても頓着せず、独りで手品遊びをしていたのですから。

これは見せないという態度をとると、余計にそれが見たくなります。

 

少年がエリクソンに隠している手品を見せろ!と要求した瞬間から、気の進まないカウンセリングに自発的な関心が芽生えたのです。エリクソンはいつも患者の自発性を大切にしていました。

 

支配のプレッシャーが常にある社会では、素直に従う人が良い人で、自由勝ってに動く人をはみ出し者とする風潮があります。非行少年たちはそのはみ出し者の部類であるのを自覚しているから、大人から差し出されるものにはなんでも反発してみせるのです。

 

エリクソンは発達障害で色弱で身体障害もある人なので、初めから健常人のように世の規格に沿うことが不可能でした。だから、エリクソンは、ふつうのことがふつうにできない人の気持ちやはみ出し者の気持ちがわかるのでしょう。

 

エリクソンは依存症の患者に依存しているものを無理にやめろとはいいません。本人がやめたい気持ちになり、自発的にやめるまでのサポートをします。エリクソンの奇跡の治療は、いつも患者の自発性を引き出すところまでで、そこから先は、患者自身が自らの手で起こす奇跡なのです。

 

それはわたしたちもよく経験していることだと思います。自分から思い立ってすることは、人から言われてすることよりもずっと意欲が上がります。

 

そして、そこには能動性と受動性の関係があります。キバリオンの両性の法則では、陽と陰で一対とするの関係があり、陰は陽を引き付け、陽も陰を引き付け、与える⇔受けとるの関係が循環します。

 

相手の自発性(能動性)を引き出すために、エリクソンは自分の関心は手品の方にあり少年にではないような態度をとったのです。後輩医師に説いた言葉「あなたが彼らを遊ばせようとしていることを悟られなければ、彼らをあなたと遊ばせるようにするのは、簡単なことです」も、この関係のことを言っているのです。

 

自分が自発的(能動的)になれば、神羅万象・万物は受動的に従います。はみ出し者の非行少年ほどこの状態を欲していたことでしょう。それに目をつけたのがエリクソンです。望んでもいないものを押し付けられる奴隷ではなく、自分が望んだものを自由に選ぶ王様のような心=「自分である尊厳」です。それを少年たちは欲していたのです。

 

エリクソンの信頼構築を司る8ハウスのルーラーは、おとめ座です。おとめ座は決まり事や約束を守ることで役に立とうとします。エリクソンは、少年たちとのカウンセリンにもれなく手品をするお約束をしていたのです。

 

それがエリクソンの信頼構築の歩みよりで、少年たちは自分からエリクソンに会いたいと申し出ることで、それに応えたのです。

少年たちに媚びるのではなく、彼らの自発的な関心を引き出すために手品を覚えて対面していたのです。

 

自発的(能動的)になるとなぜ気分がよくなるかというと、直接自分の顕在意識が自分の潜在意識に司令を与える形になるからです。自身の顕在意識が自身の潜在意識に、自由意思で司令を与えることができれば、潜在意識は受動的にそれを受けとり素直に従うようになるのです。他者に追従してやりたくもないことをしている状態では、自身の潜在意識が自身の顕在意識に抗うようになります。

 

無限の可能性を秘めた潜在意識を自身の思う通りにしたいならば、まず、「○○された」「○○のせいで××になった」という表現をなくして行きましょう。

 

自分の自由意思で選択したことを実行しているのだという自覚を持つと、「自由意思で選択するわたし」というセルフイメージを潜在意識が構築し、それに相応しい未来が展開していきます。

 

次回もミルトン・エリクソンの「私の声はあなたとともに」の解説を予定しています。

 

わたしのサロン、リブラライブラリーではあなたの心のしくみをホロスコープで解説し、心の制限、葛藤が引き寄せる現実問題にセルフヘルプで立ち向かえるようサポートします。

 

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新メニュー(月の欲求・土星の制限の観念書き換えワーク、キローンの苦手意識を強味に変えるワーク)が加わりました。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。