こんにちは、リブラです。今回は、ナポレオン・ヒルの「悪魔を出し抜け!」の解説です。

 

アンドリュー・カーネギーとのインタビューがターニングポイントとなり、ヒルは2万人以上の失敗者と500人あまりの成功者の両方をじっくり時間をかけて調査・分析することになりました。

そのプロセスを経て「成功法則」や「失敗を招く原因」を掴み取り、ヒルは、既に成功哲学を完成したものと思い込みました。けれどもその頃のヒルは、まだカーネギーの言っていた「もう1人の自分(魂)」を見出していなかったのです。

 

ヒルはまず、探り出した成功法則を実践するターゲットとして広告業界に目をつけ、シカゴにある大学の広報部長になりました。

そこに1年いると嫌気がさし、その大学の職員と共同経営で会社を設立しました。それも、共同経営者と意見が別れ、撤退することになりました。

 

その後、ビジネスカレッジと手を組んで広告とビジネスの学校を設立し、好調に利益を上げていきました。しかし、ここで第1次世界大戦にアメリカが参戦することになり、ヒルの関心はビジネスカレッジよりも政府の仕事の方に向かいました。

その結果、何の問題もなかったビジネスを崩壊させてしまいました。

 

第1次世界大戦の停戦条約が締結された1918年、ヒルは「ゴールデン・ルールマガジン」を創刊しました。資金ゼロで始めたのにもかかわらず、売り上げは急激に伸びて初年度から全国誌になり黒字に転じました。

しかし、このときもヒルは成功すればするほど不満が募り、その会社を人に譲ってしまいました。

 

「成功法則」を駆使して雑誌社の経営を成功させたヒルは、更なる高みに向かって探しているものを掴む自信があったのでしょう。次に何をするのか定まらないまま、「ゴールデン・ルールマガジン」をあっさり手放してしまったのです。

ここで初めてヒルは、以下のような危機的状態に陥ります。

 

「資金もなく、さらに悪いことには、この困難な局面から抜け出るアイディアを何一つ持っていなかった。資金不足のせいで立ち往生したのはこれが初めてだった。

 

問題の解決方法を十ばかり考えてみたが、どれも現実的ではないとか不可能だとかいう理由をつけて次々却下してしまった。

まるで、コンパスもなしにジャングルで迷子になったような気分だった。そこから逃げだそうといろいろやってみても、いつも振り出しに戻ってしまう。

 

わたしはその2か月ほどの間、人間がかかる病気の中でも最悪のもの、つまり、『不決断』を患っていたのだった。17の成功法則を知っていながら、実際の使い方について何も知らなかったわけだ!

 

そして、自分でも気づかないうちに、カーネギーの言う、『もう1人の自分』を発見するのに必要な人生の危機的状況に直面していたのだ」

 

カーネギーは電報配達員→電信士→鉄道会社の秘書兼電信士で経験と貯金を積み鉄道業界への投資で富を増やす(1853年)→鉄道会社を辞めて製鉄会社創業(1865年)→鉄鋼王として名を馳せる。

 

こうして比べて見ると、土星がさそり座(不動サイン)のカーネギーと、土星がふたご座(柔軟サイン)の現実の切り開き方の大きな違いが見えてきます。

 

カーネギーは勤め先で得られる経験・情報・お金を元手に次のチャンスにつなげ、階段を昇るように勤め人~投資家~経営者へと人生を変えていきます。置かれた環境に根を下ろし、根の充実に比例して枝葉を伸ばし、開花や結実のタイミングを待ちます。

 

電報配達の仕事が電信士になるチャンスをもたらし、電信士の仕事が鉄道会社の秘書兼電信士になるチャンスをもたらし、鉄道会社の仕事が投資のチャンスと鉄鋼会社を創業する動機をもたらしたのです。

 

さそり座土星のカーネギーは、目の前仕事に打ち込んでいれば、必然的にチャンスの方から訪れることを確信していました。

不動サインを土星に持つ人は、自分の可能性を信頼してタイミングを待つ一貫性が必要になってきます。

自己信頼が具現化に反映されるからです。

 

土星は現実を生きるための具現化のツールであり、譲れないマイルールでもあります。知性に長けるふたご座(柔軟サイン)に土星を持つヒルは、「困難な局面から抜け出るアイディアさえあればいかようにも現実を変え、柔軟に対処できるものだ」と捉えます。だから、好奇心や関心が向わない仕事を次々手放していくことに、なんのためらいもなかったのです。

 

ヒルのふたご座土星が警告した危機は、ほんとうは資金不足ではなく、困難な局面から抜け出るアイディアを実行に移す決断ができないこと」でした。

 

柔軟サインの土星を持つ人は、環境や状況からの刺激で自分自身を変化・変容していく柔軟さを必要とします。自分が変わることで困難な現実を変えられるのが柔軟サイン土星の具現化力です。

 

けれども、このときヒルは、お金の不足に関心を奪われてしまい、自分をどう変えていくかにフォーカスが向きませんでした。その結果、ふたご座土星のフォーカスも定まらなくなり「不決断」を招いたのです。

 

カーネギーのさそり座土星はみずがめ座海王星と90度で葛藤する配置にありますから、みずがめ座海王星が描く別次元級の途方もない夢に、最初見向きもしなかったでしょう。だから、カーネギーのさそり座土星は目の前の仕事や図書館での知識の吸収に没頭できたのです。その長年の努力が結果的に夢と現実のギャップをじりじりと埋めていき、チャンス到来のとき一気に飛躍できたのでしょう。

 

ヒルのふたご座土星はおとめ座月と90度で葛藤する配置にあります。柔軟サインの葛藤は、あからさまな反発をしません。提案と撤回を行ったり来たりする「迷い」として現れます。思考の堂々巡りに疲れ果て、決断力も行動力も意欲もダウンしてしまうのです。

 

ヒルのふたご座土星が現状対処のためのアイディアを降ろしても、不安に駆られたおとめ座月がこれは無理、あれも不可能と近視眼的に細かいチェック入れて却下して答えが出ない状態に陥ります。ふたご座もおとめ座も支配星が水星なので、一度思考の堂々巡りが始まると、決断が下せなくなるのです。

 

この葛藤が起きるのは、より良い選択をしようという気持ちが働くからです。どうせなら、最悪の想定と最高の想定の両方の現実をとことん考えてみると良いでしょう。

行き着くところまで想定してみると、妄想的な怖れは消えます(あれもこれも現実的でないというジャッジメントを最悪と最高の両方の想定に対してするのですから、全部却下されて消失します)。

 

そうしてから、今できることに限定すれば、最低限必要な現実的対処は自ずと炙り出されてきます。つまり、「いま、ここ、この瞬間」だけに根を降ろして、今行動すべきことを決断できます。

 

土星は現実に安定をもたらすため、月は感情を感じて表現するためにあるので、土星が現状の資金不足を嘆けば、月は不安に駆られてどんなアイディアに対しても実行する気が出ない状態にしてしまうでしょう。

 

ヒルのふたご座土星がいくらアイディアを降ろしても、彼のおとめ座月がお金の心配で心をかき乱すので「不決断」状態になったのです。でも、それは「思考停止」状態を作ってくれました。もう、考えても埒が明かない、より良い選択をすることもできないならば、「いま、ここ、この瞬間にできること」だけに専念できます。

 

そして、ヒルは「もう1人の自分」が現れる条件下で(良い選択をしようとする執着を手放して)委ねるようにタイプライターに向かったのです。

 

事業資金もない。稼げる仕事もない。その代わり時間がある。タイプライターはある。成功法則を使って事業に成功した過去がある。それでも、すべてを失い這い上がれなくなった今の自分がいる。

「成功」と「失敗」両方の実体験している自分が今ここにいる。ようやくカーネギーが言っていた「もう1人の自分」を召喚する条件は整ったと、「不決断」のどん底でヒルは気づいたのでしょう。

 

潜在能力や底力を表す冥王星をヒルはふたご座に持っています。底力は「火事場の馬鹿力」のような危機に遭遇して引き出されます。

 

この「不決断」のどん底がヒルのふたご座冥王星を覚醒させて「もう1人の自分(魂)」を呼び出し、タイプライターで語らせたのでしょう。それが世界的大ヒットとなる著作「思考は現実化する」を生み、ヒルの成功哲学の原点となったのです。

 

次回もナポレオン・ヒルの「悪魔を出し抜け!」の解説を予定しています。

 

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