こんにちは、リブラです。今回はミルトン・エリクソンの本を題材に、潜在意識の世界を解説してこうと思います。

 

*「自己」催眠

 

重い神経症のため、自分の抱えている問題を話す勇気がない」という女性が、エリクソンの診察室を訪れました。彼女は次のようなやり方でお願いしたいと言いました。

 

「夜の11時頃、わたしは運転してきて、エリクソン先生の家の玄関先に車を停めて、そして、エリクソン先生が一緒に車に乗ってくれていると想像するんです。

それからわたしは、自分の問題をとくと考えるんです」と彼女は言い、2回分の診察代を置いて帰っていきました。

 

その後、彼女はまたやって来て言いました。

わたしの問題は解決しました。もしもあなたが望まれるなら、催眠の被験者(モニター)になってもいいですよ」と。

 

そして、エリクソンはリン・クーパーとともに研究していた「催眠における時間の歪み」の実験に彼女を採用し、満足のいく結果を得たのでした。

 

エリクソンの格言「治療する人、それは結局患者その人なのである」

 

ー私の声はあなたとともにーより

 

抱えた問題に疲れ果て専門家に委ねようと思っても、それが難しい性質の人がいます。土星やキロンが1室(本人のハウス)か、8室(共感のハウス)か、12室(潜在意識のハウス)にある人々です。

 

わたしは土星もキロンも1ハウスにあるので、自分の課題は自力で解決せねばと抱え込む性質と、自分の複雑怪奇な心の問題を他者にどう打ち明けるかが既に難問で、相談する機会を見出せなかったのです。

 

わたしがホロスコープを10歳の頃から眺めるようになったのも、自分で人生の最適な進路を見つけたかったからでした。

臨床検査技師になって最初の勤務先に精神科を選んだのも、自分のパニック障害を専門家に委ねる勇気がなく、治療の現場を見て自分のパニック障害の原因の手がかりや症状改善の参考にしようと考えたからでした。

 

実際それは、恐ろしく時間はかかったものの、成功しました。独学でホロスコープを読んで自分のことを誰よりもよくわかるようになり、複雑怪奇な心の問題の原因となるエゴやインナーチャイルドの扱い方も身につき、パニック障害から解放されました。

 

エリクソンは、キロンと土星が12室にあります。発達障害もあり小児麻痺の後遺症も生涯引きずっていたエリクソンにとって外側の世界は、自身の心の世界と何もかも逆さまに思える奇妙な世界として映っていたことでしょう。

 

眼しか動かせず周囲を観察して楽しむしかなかったエリクソンは、姉たちが「はい」という言葉を使いながら「いいえ」という意思表示にもしていたことに新鮮な驚きを感じたりしていたのです。

 

キロンや土星が12室にあると、自身の心の世界のルールと外側の世界のルールが違い過ぎて、別の星から地球に降り立った異星人のような気分になるのではないかと思います。キロンや土星が1室にあるわたしは、自分の心の中に奇妙な別世界があると感じます。

 

エリクソンが精神科医になったのも、自分の心を守りつつこの世を生きていくために、人間の潜在意識のしくみを学ぶことが必須だったからではないかと思います。

 

「治療する人、それは結局患者その人なのである」という格言を残すエリクソンですから、誰よりも患者本人が心身の健やかさに不可欠なものを知っていると、信頼していたのだと思います。

 

25年前、ヒプノセラピーを習っていた頃、「催眠は自己催眠が最も深く入れる」というのを知り、とても安堵したのを今でも覚えています。

 

生徒同士でやっても、プロのセラピストにやってもらっても、軽いトランス状態でインナーチャイルドの感情に盛大に引き出すところまでだったのです。その感情の下に得体の知れない塊が凍りついているのをいつも感じていました。

 

自分でかける「自己催眠が最も深く入れる」という言葉を信じて、毎夜、その永久凍土のようなその塊に温かい涙の海で包み込むイメージを送り、「溶ける」という暗示をかけて眠りに就くうち、わたしのインナーチャイルドはかさぶたのようなトラウマの殻を破って、対話に応じてくれるようになりました。

 

そして、わたしに長年巣くっていた不安は霧が晴れるように消え、複雑怪奇で薄暗い心の中に光が差すようになったのです。

 

今回のお話に登場した神経症の女性は、8室に土星やキロンがあるような感じがします。8室に土星やキロンがあると共感や信頼構築するまでのハードルが高くて、他者に容易に心の内を明かせないのです。

でも、共感や信頼が通う条件が揃うと、心の扉は開いて深く交流できるようになるのです。

 

今回の神経症の女性は、想像上のエリクソンと信頼構築ができるようになると、自ら進んで催眠の被験者を申し出るほどオープンマインドになっています。人や状況によって共感や信頼が通う条件が揃えば、8室土星やキロン持ちの人でも、深い心の交流が可能な実例を見るようです。

 

土星やキロンが1室や8室や12室にあるような人々が心の問題で疲れたら、自己暗示やアファメーションを試してみるとよいのではないかと思います。

 

そのとき大事なのは、外側の世界の価値観や常識やルールで自分を評価したり裁いたりしないことです。自分の要求や理想を押しつけたり、コントロールするために暗示やアファメーションを使わないということです。

 

普通の人間関係でもそうですよね。いきなり要求や理想を押しつけたり、コントロールしようとする人と仲良くしたいとは思いません。だから、自身の心の世界の副人格たちと仲良くするためには、共有している身体に向かって労わるように話しかけるのが取っ掛かりとしてはいいと思います。

 

「今日は、いろいろたいへんだったよね、ご苦労さま」とか、「今日は、ゆっくりできたよね」とか、そんな思いを何気に自分の内に向けると「それほどたいへんでもなかったよ!」とか、「こんなふうにボォーっと過ごせる日を入れてくれて、一息つけたよ!」とか、ポツリポツリと気持ちを打ち明けてくれるようになってきます。

 

そうなれば、顕在意識と潜在意識が共に手組んで目指したらよい目標や方向性もだんだん明らかになってきます。

今回の神経症の女性も、エリクソンのイメージを借りて、彼女自身の内なる精神科医の副人格を呼び出して、問題の最適解を引き出したのでしょう。

 

自身の潜在意識との信頼関係ができれば、眠る前に問題提議を投げかけておくだけで、目覚める頃に夢やインスピレーションによって求めていた答え返ってきます。わたしたちの潜在意識にはそんな魔法のような機能が備わっているのです。

 

次回もミルトン・エリクソンの「私の声はあなたとともに」の解説を予定しています。

 

わたしのサロン、リブラライブラリーではあなたの心のしくみをホロスコープで解説し、心の制限、葛藤が引き寄せる現実問題にセルフヘルプで立ち向かえるようサポートします。

 

詳しくはこちら をご覧ください。

 

新メニュー(月の欲求・土星の制限の観念書き換えワーク、キローンの苦手意識を強味に変えるワーク)が加わりました。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。