こんにちは、リブラです。今回は、ウエイン・ダイアー著「老子が教える実践道(タオ)の哲学」の解説です。
第58章「幸運・不運に惑わされるな」
「己の心の声を聴く者が治めれば、人は素朴で純粋になる。民の心を御せんとする者が治めれば、人は不安と不信に動揺する。
不運には幸運が寄り添い、幸運の背後には不運が潜む。果てなく続く運の峰や谷はいったい、いつ終わることやら?正しい状態は、あるのやら、ないのやら?正常はたちまち異常に変わり、人は果てしなく道に迷い続ける。
賢人は範(のり)を示すのみ、己の意志を押しつけない。研ぎ澄まされても、人を刺さず、真っ直ぐに歩いても、人とぶつからず、光輝いても、人の目を眩(くら)まさない」
ー老子が教えるタオの哲学ー
人生は、どの段階でも、幸不幸の表裏一体を実感するチャンスがあります。若さは「幸福」な時代、老い「不幸」の印と呼んですませるのではなく、「あなた」という全体から眺めると、かつての若さは今の年齢の自分を創る要素の一つであり、老いていくのは肉体の様々な変化を経て自分を完成させていくための一段階だとわかるでしょう。
目の前の状況を見るのに精一杯で、大きな全体像を眺める余裕がないとしても、闇夜の後には朝が来る、不運には幸運が寄り添っていると自分に言い聞かせてください。谷底に着いたら、後は登るしかないことを忘れないでください。
今日のタオ
「幸運」なこと・「不運」なことと思われる出来事をリストアップしてみましょう。そして、その「幸運」なこと・「不運」なことをイメージの中で追体験してみます。
万華鏡(人生そのもの)を覗き込むように眺めながら、それぞれの追体験が、あなたの身体と心を流れすぎるのを感じとってください。それは、雲が空を漂い、夜が朝になり、雨が陽に乾いていくのと同じです。
あなたが幸運にも不運にも惑わされず泰然と眺めていれば、どんな混乱も、ただ来ては去って行くだけなのがわかります。とダイアー博士は言っています。
西洋占星術では、木星を「幸運」の星、土星を「試練」の星としています。ちなみにわたしは、おひつじ座木星とみずがめ座土星を持っているので、現在サターンリターン(土星回帰)とジュピターリターン(木星回帰)が同時に来る特別な時期を過ごしています。
こんなとき、木星と土星のどっちが強く出るかといえば、当然ながら土星の方です。木星は1年で通過してしまいますし、土星は2年半滞在します。1年くらいしかいない木星では、何が幸運だったのかわかるのは過ぎ去った後だったりします。
土星の方は、なぜ「試練」の星といわれているのかといえば、現実を突きつけ、具現化に向かわせるからです。
いま土星が滞在しているのはみずがめ座なので、誰しもこの2年半ばかりの間(奇しくもコロナウィルスのパンデミックとみずがめ座土星の動きが一致しています)は、密な状態を避け、ドライでフレンドリーな人間関係にならざるをえなかったことでしょう。
それは、みずがめ座が個である性質と心の自由を尊重する性質があるからです。一人一人が自身の個性に目覚め、自由な発想で制限の枠を飛び越えてみよ!と土星がみずがめ座流の現実を突きつけ、具現化を迫ったわけです。
誰しも、この2年半の間に、自分自身の個としての性質がこの社会や周囲の人々の中で不協和音を奏でているのに気づいたことでしょう。馴染めない自分の個性がいけないのではなく、画一化しようとする、みんなと同じ方向に右へ倣えしようとすることが不自然なんだと、みずがめ座土星は教えてくれるのです。
社会や周囲の人々の中で違和感を感じる形で現れるので、ありがたい気づきとも思えず、むしろ、自分の違和感を無視して周囲に合わせると、みずがめ座土星は「試練」を課し、軌道修正をかけるため孤独や孤立を余儀なくされるかもしれません。
でも、不必要な馴れ合いから引き離されて、孤独な環境の中自分と向き合えば、自然体の「ありのままの自分」でいられる幸せを見つけられます。
暗闇だからこそ、美しい星の瞬きが見えるように、孤独もストレスも苦しみもプレッシャーも、その向こう側にある幸せを見つけるための通過点にすぎないのです。「不運」は「幸運」をより際立たせるためのスパイスみたいなものです。
みずがめ座土星をアセンダント近くに持つわたしは、30年前のサターンリターンのときは、興味の方向が合わない人と無理して一緒にいる苦しみよりも、独りの自由を楽しむ方へと軌道修正が課されました。
だから、今回のサターンリターンは、天界に連れて行かれたガニメデスのように、ずっと物事を俯瞰視点で眺めることができたようです。2つの世界が分かれていくのを静かに傍観していると、わたしのエゴはどちらかに行くべきではないかと騒めきますが、わたしの魂意識は、ゲームの流れを余裕で眺めています。
どちらの世界にも参加できない自分を嘆げいたり、疎外感を味わった前回のサターンリターンとは大違いで、今回は起こることを俯瞰的に捉えて傍観者に徹することで深い気づきを得られ、1ハウスの土星らしく、自身のエゴと向き合う機会を与えられ、その扱いに取り組む課題を課せられました。
「試練」を呼ぶ土星は、現実性や具現化を鍛え、「苦手意識・コンプレックス」を感じさせるキロンは、その克服プロセスで自己認識に至り承認欲求を超え、自己実現欲求へ進化させます。
「葛藤」を発生させるハードアスペクトは、統合に至るプロセスで天体同士のエネルギーの奇跡的な協調を生み出します。
土星やキロンやハードアスペクトを「不幸」の象徴のように捉える人もいるようですが、わたしはそう思ったことがありません。
未熟なエゴと魂意識(大いなる源の分霊)が共同創造で人生を歩むために、「不運」を攻略して「幸運」に至るプロセスが必然だから、土星やキロンやハードアスペクトを置いたのだと考えます。
それでこそ、二元性思考のエゴと非二元性の魂意識(大いなる源の分霊)の共同創造の人生として相応しいブループリント(ホロスコープ)になると思うのです。
次回も「老子が教えるタオの哲学」の解説を予定しています。
わたしのサロン、リブラライブラリーではあなたの心のしくみをホロスコープで解説し、心の制限、葛藤が引き寄せる現実問題にセルフヘルプで立ち向かえるようサポートします。
詳しくはこちら をご覧ください。
新メニュー(月の欲求・土星の制限の観念書き換えワーク、キローンの苦手意識を強味に変えるワーク)が加わりました。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。