こんにちは、リブラです。今回は悪性リンパ腫末期⇒臨死体験⇒完全治癒したアニータ・ムアジャーニの2作目の本「もしここが天国だったら」を解説です。

 

 

第7章 誤った社会通念ー「死んだら自分の罪を償う」

 

アニータと夫のダニーは、ロサンゼルス上空を飛ぶ飛行機の中で着陸装置の問題が生じたと告げるアナウンスを聞き、「少なくとも、一緒で良かったわ。だって一緒に逝ったら、あなたはわたしを連れ戻しにこなくて済むでしょう」と笑って話していました。アニータが臨死状態のとき余命数時間と宣告されたとき、後を追って死んでしまいそうなダニーのことを思い出していたのです。

 

2人を乗せた飛行機は無事着陸に成功しましたがフライトは遅れ、次の飛行機を2時間待つことになりました。そのとき、悲しい目をした40代中頃の男性ロンがアニータを見つけ、声をかけてきました。

 

ロンは、6ヶ月前に妻を亡くし、その悲しみを乗り越えられずに苦しみ、アニータの動画や本に癒されたと話しました。アニータは次の搭乗時間までロンの話を聞くことにしました。

 

ロン「妻のトリッシュは、わたしが出張中に服毒して自ら生命を奪ったのです。わたしはその兆候も気づかず、止めることもできなかった自分が許せません!その夜から、わたしは眠ることもできずにいました。そんなある日、誰かがあなたの動画のリンクを貼ったメールを送ってくれました。また、別の誰かはあなたの本をくれました。

 

動画を観て本を読むととても感動して慰められましたが、疑問に思うこともたくさん出て来ました。それに、この罪悪感にどう対処したらいいのかわかりません」

 

アニータ「奥様は、自分のしたことであなたが罪悪感を抱くのを望んではいないと思います」

 

ロン「ほんとうですか?それは確かなことですか?」

 

アニータ「ええ、確かなことです。わたしが身体を離れていたとき、わたしのせいで誰かが苦しんで欲しいとは全く思いませんでした。トリッシュも同じことを望み、あなたが幸せであるのを見たいと思っているはずですよ。

 

もし、彼女があなたに知って欲しいことがあったとすれば、それは彼女がしたことはあなたのせいではないということです。

彼女は自分の苦しみと、その苦しみに対処できなかったせいで自殺したのです」

 

ロン「でも、彼女が自殺する直前にわたしたちは口論したのです。そのことが悔やまれてなりません。たとえ彼女がすばらしい場所にいたとしても、わたしは妻に愛しているともう言えません・・・」

 

アニータ「今でも言うことはできるのですよ。彼女にはあなたの声が聞こえますから。あなたが考えていることを彼女は知っていますが、直接話すことがあなたの助けになるでしょう。

 

たとえあなたが彼女と口論しなかったとしても、遅かれ早かれ、他の原因が自殺の引き金になったことでしょう。

それはその人が人生をどう思っているのか、どんなフィルターを通して世界や自分の居場所を見ているかに関係するので、あなたがコントロールできることではありません。

 

現在いる場所(無条件の愛に包まれた向こう側の世界)から、彼女はあなたに安らぎと幸せを見つけて欲しいと思っています。あなたの幸せな姿をもう1度見ることが彼女の喜びです

 

ロン「トリッシュは虐待的な子ども時代のトラウマがあり、『地獄や罪によって罰せられる』という宗教的観念を強く持っていました。自殺をした彼女が、そのような思い込みのせいで、地獄を味わっていないかと思うばかりです」

 

アニータ「『自分とは別個の存在が見張っていて、わたしたちが失敗を犯すのを待ってそれを罰する』ということは(向こう側の世界には)なかったです。(この世の)わたしたちは二元性の世界に生きているため、裁きがいずれやって来ると考えるような条件付けがあるのでます。

 

トリッシュは絶対大丈夫です。わたしたちがここで出会ったのは、彼女が導いたてくれたという気がします。彼女が(向こう側の世界で)元気でいること、あなたが再び人生に安らぎを見出せるように願っていることを知らせたかったのでしょう」

 

ロン「ありがとうございます!その言葉がずっと聞きたかったのです」

 

ーもしここが天国だったら第7章ー

 

罪悪感は人間世界だけに存在する複雑な苦しみです。二元性の思考によって創り出された幻想の苦しみなのです。何を罪と定め何を悪と定めるかは本人次第で、それにより自ら有罪と下して自分を責め苛んでいるわけですから。

 

二元性の思考が存在しない世界では、あり得ない苦しみです。ですから、アニータの言うように無条件の愛しかない、何もかも「大いなる源」と一つになっている向こう側の(死後の)世界に裁きも審判もなく、罪人が責め苛まれる地獄もありません。

 

しかし、宇宙を貫く法則は当然そこでも働きます。その人の波動と共鳴する世界が用意されていて、自然に導かれてそこにいくようになっているのです。

 

光と闇、善と悪、優と劣など、なんでも二つに分け差別化を図りたい人間のエゴは、死後の世界でも、闇より光、悪より善、劣ったものより優れたものと考えるので、「天国に行きたい!」「地獄が怖い!」と思うのでしょう。愛する人にも「天国」に行って欲しいと思うのでしょう。

 

けれども、肉体を離れるとそういう思いも抜けて、自身の波動と共鳴する行きたい所に導かれていくのです。

ほんとうに苦しいのは、自分の波動と著しく違う所にいることです。一点の闇も心の中にない人には、心の中が真っ暗になっている人の気持ちはわかりません。眩しい光しかない所に闇を抱えた人がたった一人で紛れ込んでいる方が、居心地悪いのです。

 

生きることに悩み苦しみ死を選んだトリュッシュとどんなに苦しんでも自死は選ばないロンでは、著しく波動が違うことは明らかです。たとえ自殺の直前の口論があってもなくても、トリュシュに死よりも生を選ぶという意識変革が起こらない限りロンと一緒にいることは、苦しいのです。

 

トリュッシュが死ぬとき、彼女の人生にも、ロンにも未練はなかったのでしょう。だから自殺という方法で世を去ったのです。ところが、死んで肉体から離れ向こう側の世界の無条件の愛に触れて癒されたとき、この世でやり残したことを思い出したのでしょう。

「大いなる源」の純粋な愛に包まれてすべてが許されたとき、トリュッシュとつながる現世のロンの苦しみに気づいたのでしょう。

 

彼女の自殺で夫のロンが抱えた罪悪感を何とかしようというトリュシュの思いが、アニータの動画や本を届け、直に出合わせて話しをさせるチャンスを呼んだとわたしも思います。

 

トリュッシュは無条件の愛とつながっているわけですから、縁ある人が苦しんでいるのを放っておけません。

だから、アニータはロンに「あなたの幸せな姿をもう1度見ることが彼女の喜びです」と言ったのです。

 

現世を自分らしく生きることが最も波動を上昇させますが、縁ある人を応援して波動上昇に貢献することで死後のトリュシュのような存在の波動も上昇します。

だから、幸せを存分に感じて楽しくこの世を生きられることに見えない存在も含めて感謝すると、亡くなった縁ある人々への最高の供養になるのです。

 

今回のテーマになった罪悪感と関係がある天体はキロンです。キロンは自分にダメ出しをして、弱みをずっと密かに突っつき回しますが、他者にとってはヒーラー(癒し)として働きます。

コンプレックスを抱えているからこそ、同じコンプレックスを持つ人々の気持ちがわかり、よい導き手になれるのです

 

キロンは慢心することなく無限に研鑽を続けることを強いるので、劣等感を感じていたことが長年の歳月で得意分野に変わっていたりする働きがあるのです。

 

わたしは1室(本人のハウス)にキロンを持っているので、生まれてから社会人になるまでずっと自分自身のキャラクターにコンプレックスを持ち、自己嫌悪の塊でした。

自分にもどこかよいところがあるかもしれないと、密かに自分を知ろうと占星術の本を手にしたのは10歳のときでした。

 

最初の仕事に精神科を選んだのも、自分自身パニック障害があり、精神的な病気ではないかと密かに疑っていたからでした。精神科に勤務して、うつ病の患者さんが通院治療をしながら社会で働き家庭を守る姿を見て、わたしのパニック障害なんて十分対処可能な些細なことじゃないかと思いました。

 

そして、「怖れ」でパニックを起こす自分に向き合い、それを責めるのではなく、「よくここまで頑張ってきたよね。普通のことが普通にできるだけで100点満点だよ!」と自分を承認することに努めたのです。

 

怒鳴られたりぶたれたりが日常茶飯事の環境で育ったせいで、人に対する恐怖や猜疑心が強いキャラクターになってしまい、人混みや急かされることや不機嫌な人に遭遇するとパニックに陥る傾向がありました。

 

些細なことに「怖れ」を感じてパニックを起こす自分が大嫌いでしたが、その「怖れ」はわたしの子ども時代の「怖れ」の記憶の再現だったことがわかり、わたしだけが自身のインナーチャイルドの恐怖がわかり共有できるのだから、何が起ころうと味方であり続けようと心に決めました。

 

キロンはどんなに愚かで未熟な自分を見つけても、それを責めずに、見守ってあげる姿勢が大切です。小さなことから肯定し、承認する。他者の評価に惑わされず、自分の在りのままの状態やできたところまでを認めることで、キロンの苦手意識は克服され、弱みは強みに転換されていきます。

 

わたしがホロスコープを使い、現実問題をセルフヘルプで乗り越えるためのサポートができるのは、自身の弱みを強みに導いてくれた1ハウスのキロンのおかげだと思っています。

 

1ハウスにキロンがある場合、「自分に落ち度があるから、悪い結果を招いた」と自分を責める傾向があります。自分を完璧にしようと煽るのではなく、できたところまでを承認する姿勢を貫けば、キロンは克服され、ブレない自己肯定感が備わります。

 

2ハウスにキロンがある場合、自分の所有につながる能力を過小評価する傾向があります。どんなに豊かな所有を手に入れても安心できず、次の獲得に意識を駆り立てます。所有できた自分を認め、所有したものを味わい愛でる姿勢がキロンを克服に導き、豊かな所有の安定した流れを創ります。

 

3ハウスにキロンがある場合、自己表現に苦手意識を持つ傾向があります。表現したことが上手くと伝わっているかどうかが心配で、無難な表現に終始してしまうことにジレンマを感じます。自分の思いをどれだけ表現できたかだけにフォーカスし、それができたところまで承認していく姿勢が、キロンを克服に導き、ほんとうの自分の表現を引き出します。

 

4ハウスにキロンがある場合、心身の安定や基本的な生活基盤に不安を抱く傾向があります。自分の心や身体に適合するライフスタイルや自分軸が見出せず、そのことに苦手意識を抱きます。プライベートな生活環境を少しでも心地よいものに改善して行く度に、その自分を高く評価することがキロンを克服に導き、精神基盤と生活基盤の安定をもたらします。

 

5ハウスにキロンがある場合、自身の至福の追求に価値を見出せず、純粋に楽しめない傾向があります。自分を楽しませるもの、ワクワクするものを見つけたら、それだけでも高く評価しましょう。至福の追求による新鮮な驚きや発見がキロンを克服に導き、遊びが楽しい変化に誘います。

 

6ハウスにキロンがある場合、貢献することに対して苦手意識を持つ傾向があります。どこまで貢献してもまだ何か足りない気がして、犠牲的な状態を招きやすくなります。喜んでできることで貢献する姿勢がキロンを克服に導き、貢献する側もそれを受ける側も幸せな気持ちになる循環を作ります。

 

7ハウスにキロンがある場合、対人関係に対して苦手意識を持つ傾向があります。必要以上に相手に配慮して、精神的に消耗します。自分がリラックスできる交流スタイルを見つけることがキロンを克服に導き、相手に癒しやくつろぎを与える交流術に発展します。

 

8ハウスにキロンがある場合、共感や親密感に対して苦手意識を持つ傾向があります。相手と心を一つにした交流を意識して精神的に消耗します。自分にも相手にも何も期待せず心の自由を許す姿勢がキロンを克服に導き、自然に共感や癒しが通う交流を促します。

 

9ハウスにキロンがある場合、未知の世界の知識や情報を探求してほんとうに欲しいものを掴むことに苦手意識を持つ傾向があります。知識や情報を集めることにエネルギーをつぎ込み、自分の中に落とし込むのが二の次になります。知り得た知識や情報に刺激され、自身の中の叡智の目覚めに気づくことがキロンを克服に導き、知的探求の成果の実感につながります。

 

10ハウスにキロンがある場合、社会的な活動に対して苦手意識を持つ傾向があります。パーフェクトな結果を自分に課して消耗します。社会的な評価を目標とせず、自分らしい活動ができているかにフォーカスを向けることがキロンを克服に導き、好きな仕事が社会的な成功に発展します。

 

11ハウスにキロンがある場合、グループシップに対して苦手意識を持つ傾向があります。組織や仲間に対して必要以上に配慮して消耗します。グループシップが束縛ではなく、個人の限界を超える可能性と思うことがキロンを克服に導き、組織的な夢の具現化につながります。

 

12ハウスにキロンがある場合、自身のネガティブな感情や観念に対して苦手意識を持つ傾向があります。様々な思い込みで自分を責めて罪悪感を抱えやすい状態を作ります。二元性の思考(善悪、優劣など)で自分を裁くのはやめましょう。裁く基準は自分の考え方次第であることに気づくことがキロンを克服に導き、心の自由につながります。

 

次回は「老子が教えるタオの哲学」の解説の予定です。

 

わたしのサロン、リブラライブラリーではあなたの心のしくみをホロスコープで解説し、心の制限、葛藤が引き寄せる現実問題にセルフヘルプで立ち向かえるようサポートします。

 

詳しくはこちら をご覧ください。

 

新メニュー(月の欲求・土星の制限の観念書き換えワーク、キローンの苦手意識を強味に変えるワーク)が加わりました。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。