こんにちは、リブラです。今回からアニータ・ムアジャーニ著「もしここが天国だったら」を解説していこうと思います。

 

 

第1章 誤った社会通念ーしたことが自分に返ってくる(自業自得)

 

アニータはインド人でありながらイギリスが統治する香港で育ったため、白人の子どもが多数の学校の中で人種差別が原因のいじめに遭いました。いじめグループの少女たちは、「サンボ!ゴリウォーグ!(児童書の黒人主人公)」とはやし立てるだけでなく、暴力的にアニータのランチ代を強奪するようなこともしていました。

 

その頃のアニータは無力だったので、いじめに耐えながら勉強の成績で両親や教師からの高評価得ることだけに専念しました。

いじめに耐える日々を送っていたアニータは、「自分は拒絶されるという予測とともに生きる」ようになってしまったのです。

 

「その結果、わたしは『人生のすべての場面で、自分自身を証明するためにー自分の価値を証明し、目の前に現れたポジティブなものに自分が値することを証明するためにー一生懸命努力しなければならない』と信じて大人になったのです。

さらに、批判に対して敏感になり、それは常に頭の中で誇張されました。

 

でも、いじめの最も大きな影響は、人から好意的な注目を受ける度に、その賞賛は自分に値しないと感じるようになったことです。わたしはいつもその注目を拒絶するかそれに過度に感謝をし、自分が注目を受けるのに値することを証明しようとするあまり、人に踏みつけられても我慢することさえありました。いじめの経験がわたしから自尊心を奪い取ってしまったのです」(もしここが天国だったら第1章から抜粋)

 

「目の前に現れたポジティブなものに自分が値することを証明するために一生懸命努力」しても、「自分は拒絶されるという予測とともに生きる」が前提になっているアニータは、「人から好意的な注目を受けるに値しない」と感じてしまいます。

 

人から愛されているのにそれを受け取れず、愛を受け取れないから益々「自分は拒絶されるという予測とともに生きる」が強化されるという悪循環にハマってしまうのです。

 

この悪循環はアニータが臨死体験をすることで終了しました。死を予期したことで彼女のエゴの「自分は拒絶されるという予測とともに生きる」という観念が緩められたからです。

 

物質次元しか信じない彼女のエゴは、身体から離れて意識だけの状態になったとき、「自分自身を証明するために一生懸命努力」することを諦めたのでした。

 

そのとき初めてアニータは何の努力もせず、無条件の愛に包まれ、在りのままの自分でいるだけなのに愛されているのを感じました。愛されるに値しないと思っていたアニータが、愛を受け取り、満たされ、癒されたのです。

 

そして、アニータは臨死体験中、いじめっ子たちやそのトラウマの記憶を振り返り、学校で経験したいじめが自分のせいではなかったと理解しました。

すべての意識とつながる状態になったアニータは、いじめっ子たちの意識にもつながり、彼女たちもまた、自分自身の不安な気持ちを行動で示していただけで、愛されず、無力だと感じていたのがわかったのです。

 

アニータ自身もいじめっ子たちも、愛を失った社会からの影響のままに行動し、彼女たちの経験した被害者と加害者の関係も何もかもが、無条件の愛に戻るために必要な旅の一部だったと臨死体験でアニータは気づいたのでした。

 

「したことが自分に返ってくる」という社会通念を信じていたとしたら、アニータはいじめっ子たちへのネガティブな思いを引きずったことでしょう。なぜなら、「いじめっ子たちは、アニータにしたことが返ってくる(罰を受ける)」ことがないと終わらない=許せないという気持ちに結びつくからです。

 

アニータが無条件の愛に包まれたとき、この社会通念は溶けてなくなり、いじめっ子たちを罰する気持ちも許す気持ちも要らなくなりました。アニータにとってもいじめっ子たちにとっても、その出来事は無条件の愛に戻るために必要な旅の一部だったと理解できたからでした。それは善でも悪でもない、必然の出来事としてアニータが受け取ったからです。

 

アニータは臨死体験で身体から離脱し、意識だけの状態で「大いなる源(神、創造主)」とつながりを自覚できたから、起こった出来事はすべて無条件の愛に戻るために必要な旅の一部と捉えることができました。同列レベルでは解決できない問題も、意識を一段高くして俯瞰視野で全体を見渡すと、様々な解決法が明らかに浮かび上がってくるものです。

 

それでは、臨死体験をしていないわたしたちの場合、過去のネガティブな記憶に登場する加害者の記憶をどう扱ったよいのでしょうか?

 

それに対して、アニータはヒントとエクササイズをいくつか挙げていますが、その中で1番俯瞰的に捉えるのに役に立ちそうなワークをご紹介します。

 

あなたを苦しめている人物と自分自身を劇中の役者だと思ってください。そして、公演の後の打ち上げパーティーで出会ったと想像しましょう。そこではもはや、お互いが演じた役の人物ではありません。

 

相手がこれまでとは違う愛情深い性格で、心のこもった挨拶をしてあなたの演技をほめてくれている様子をイメージしてください。このビジュアライゼーション(視覚化)を何度も行って、自分の見方を少しずつ変えていきましょう。

 

わたしたちは魂意識が設計した人生に沿っていきるように仕組まれています。魂意識が経験したい、感情のイベントのような出来事(強く感情を動かす出来事)は、あらかじめ計画されています。

 

そなると、そこに登場するキャストもあらかじめ決まっているのです。そのキャストも無意識レベルではどんな言動・行動・態度をとるかを知っているのです。

こうなると、嫌な人というのもそのような言動・行動・態度をとるのかが、無意識レベルで誘導されているから、脚本通り自分の役柄を演じる悪役俳優としか思えなくなりますね。

 

このように問題の当事者にならずに、一段高い所から見渡して客観視する習慣がつけば、すべてのことが無条件の愛に戻るために必要な旅の一部と捉えることができるようになります。

 

次回は「老子が教えるタオの哲学」の解説の予定です。

 

わたしのサロン、リブラライブラリーではあなたの心のしくみをホロスコープで解説し、心の制限、葛藤が引き寄せる現実問題にセルフヘルプで立ち向かえるようサポートします。

 

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新メニュー(月の欲求・土星の制限の観念書き換えワーク、キローンの苦手意識を強味に変えるワーク)が加わりました。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。