こんにちは、リブラです。今回は、ウエイン・ダイアー著「老子が教える実践道（タオ）の哲学」の解説です。
第８章「水の流れのように生きる」
「上善は水のごとし。水は善く万物を利して争わず、衆人の悪（にく）む所に処（お）る、故に道に幾（ちか）し。
居は地を善しとし、心は淵を善しとし、与（まじわ）るは仁を善しとし、言は信を善しとし、正は治を善しとし、事は能を善しとし、動は時を善しとす」ー老子 岩波文庫ー
「最高の善とは水のようなもの。淡々と万物を養い、万人の厭う低地を流れる。それは、まさしく道（タオ）。
自然のままに生きよう。住むには、地を離れず、思うときは、心の奥底を覗き、人と交わるには、思いやり慈しむ。自らの言葉に忠実に、治めるには公平に、行うには最良の機を選ぶ。
自然のままに生きる者は流れに逆らわない。遅れず早まらず、『今』に寄り添い、常に自らの務めを誤らない」
ー老子が教えるタオの哲学ー
出会う人一人一人の中にタオを探しましょう。そこからが踏ん張りどころ。あなたの道（タオ）から流れ出す温かく円（まろ）やかな心の水を、相手の道（タオ）に注ぎこんでいきましょう。
他人の人生を支配しないように、最大限の努力をすることで、タオの自然な秩序と調和できます。
水は生き物の渇きを癒し、数え切れない恩恵をもたらしますが、水そのものは何もしていないーただ流れているだけです。
わたしたちの身体のおよそ６０％は水です。わたしたちの意識が波動となって水に伝わっていくとしたら、わたしたちの気持ちのバランスが崩れるときは、その歪んだ意図がこの地球全体に破壊的な影響を及ぼすことだって、ないともいえません。
わたしたちの創造主、永久不変のタオなら、きっとこう言うでしょう。
「わたしは命の水だ。だから、渇いた者を癒すことができる」
今日の道（タオ）
静かに水を飲み、ひと口ごとに心の中で繰り返します。「川が動物の渇きを癒し、雨が植物を潤すように、周りの人の命を潤すことに努めよう」と。
ただ流れているだけで、あなたの命を支えている水に、感謝の祈りを捧げてください。とダイアー博士は言っています。
学生のとき物理の授業で、表面張力の測定値だけで液体の物質名を当てる実習したことがありました。ビーカーに入れられた未知試料はどれも無色透明で、舐めたり嗅いだりするのは禁止でした。
その試料のうち、ひとつだけは飛び抜けて表面張力が異常に高く驚いたものがありました。それは水でした。表面張力のおかげで水玉ができ、雨が上がったあとも葉っぱに残ることができます。
「ご冗談でしょう！ファインマンさん」の中で、物理学者のファインマンさんが水玉を身体にくっつけて運ぶ蟻を観察するシーンが出てきますが、水に高い表面張力がなかったらそんなことはできないのです。
命の水だから、蟻のように小さな生き物にもちゃんと行き届くようになっているのだなあ、と水の表面張力の強さに創造主の愛を感じました。
自然界を創った創造主の愛は、さりげなく、どこにも支配を感じさせず、黒子に徹しています。当たり前過ぎて見過ごされてしまいますが、地球上の生き物の生命を支えています。
老子が説くタオの世界観は、この自然界の摂理をお手本にしています。自然界の水の役割のように人に接すれば、「わたしは命の水だ。だから、渇いた者を癒すことができる」という生き方ができるのです。
水星座（かに座・さそり座・うお座）の天体をホロスコープに多く持っている人は、この人生で水の流れになる役割担っています。
「水そのものは何もしていないーただ流れているだけ」という自然界の水の役割をお手本に、タオの世界観で人とつながれば、人間関係がもっと自由に豊かに広がるでしょう。
水星座の困った傾向は、溶け込み過ぎてのまれたり巻き込まれたりするところです。でも、タオの世界観に従えば、「『今』に寄り添い、常に自らの務めを誤らない」ので、相手を支配したり、自分の領分を超えてのめり込むことはありません。
今は風星座のみずがめ座に現実を創る土星が滞在中で、水星座のうお座にイマジネーションを司る海王星が長期滞在中です。
だから、人に対する思いやりや慈しみでワンネスを意識しながらも、自由意志を尊重する人間関係を誰もがレッスンしている最中だと思います。
やがて、みずがめ座に冥王星・ふたご座に天王星が入り本格的な風星座の変革・変容が訪れるときは、うお座海王星のワンネス意識は人類だけでなく地球規模になっているかもしれません。そのときは、タオの世界観が主流になっていることでしょう。
次回は「老子が教えるタオの哲学」の解説を予定しています。
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