こんにちは、リブラです。今回は、「ヒロインの旅」の解説です。

 

 

 

「ヒロインの旅」第5章「通過儀礼と女神への降下

・穀物の女神(デメテルとペルセフォネ)

 

モーリーン(ヒロインの旅の著者)は、娘のヘザーが遠く離れた大学に進学したとき、デメテルの悲しみ(娘ペルセフォネが冥界の王の妻となり、毎年3か月は地下行ってしまう悲しみ)を味わった。

 

母になると人生の大部分が決まる。その役割がなくなると心に大きな穴が空く。

「まるで裸でいるみたい」「もう完璧な母のフリはしない。『完璧』なセラピストや作家や芸術家になる気力も熱意もない。普通の人になりたい。ただ静かに内面の旅がしたい」と思った。

 

この喪失感を乗り越えるには法外な時間を要した。

娘のヘザーがハロウィンを家で過ごしに帰ったとき、モーリーンは展覧会に向けて作品制作をしていた。

 

モーリーンが穀物の女神を描くと、ヘザーは「どうしてそれを?」と言って涙をこぼした。「悲しかったからよ」とモーリーンも涙をこぼした。彼女は自らをデメテルとペルセフォネの神話に重ねて描き、やっと穀物の女神の意味がわかった。

 

その後の暮らしも味気なかったが、夜はぐっすり眠れるようになった。

「人格が大きく変われば態度も変わる。だが、無意識の価値に気づくまでは心の中も外も乾ききり、生活は精彩を奪われる」

 

モーリーンはやっと別離の悲しみから抜け出した。娘は心の中にいる。それを探すことが今後の課題だと思えるようになった。

 

モーリーンの苦しみは「母になると人生の大部分が決まる。その役割がなくなると心に大きな穴が空く」としていますが、これは娘を失う母親の喪失感のみならず、アイデンティティクライシス(「自分とは何か」がわからなくなって危機を感じること)が起きているのではないか?とわたしは思います。

 

母親というあまりに長く責任の重い荷を背負い続けているうちに、「背負っている子ども」と「母親の役割」を含めて「これが自分」と思い込んでしまうのでしょう。

 

それゆえ子どもが巣立っていったときの喪失感が大きいのです。自分の一部が引き裂かれて失われるような感覚なのでしょう。

 

本来子どもが成長して巣立つことは、親にとって喜ばしいことです。しかし、その喜ばしさよりも喪失感の方が勝り、悲しみに取りつかれてしまうのは、「母親という役割」への執着です。

 

ほんとうは巣立つ子どもが心配なのではなく、「自分の役割」と信じていたものを失う心配なのです。

子どもが巣立って行ってしまって「悲しい」のではなく、「母親という役割」が終了してしまって悲しいのです。

 

「母親」というのは自分を表す一部に過ぎないのに、いつの間にか「母親」が自分の大半になり、その肩書を外した後の自分が想像できない状態にモーリーンは陥っていたのでしょう。

 

作家やセラピストの肩書では「母親」の代わりにならなかったのです。それはありのままの「ほんとうの自分」ではなく、後から派生したものだからです。「母親」役に勝るのは、「ほんとうの自分」です。

 

「ほんとうの自分」ならばどこかに離れて行ってしまうこともお役御免になることも、死ぬまでありません。

忘れてしまった「ほんとうの自分」を様々な体験を通して思い出し、その「ほんとうの自分」がやりたいことをこの世で実現することが、わたしたち誰もが背負っている使命です。

 

子どもの巣立ちで「母親」という大役を演じきったら、やっと「ほんとうの自分」を思い出す旅が始められます。

「母親」という大役は、生命を誕生させて育てるという崇高な任務だから確かにやりがいのある役割です。名残惜しいでしょう。

 

でも、わたしたちは子孫を残したらそれで終わりという生き物ではありません。子育てが終わってもようやく人生の折り返し地点あたりです。

 

それにわたしたちの本質は性別のない神の分霊である魂です。その魂は母親役だけをやるためにこの世に次元降下して転生しているのではありません。

 

宇宙でたったひとつの自身のハーモニクスをこの物質次元で表現したくて、奇跡的な確率を潜り抜けて地球の「いまこここの瞬間」に存在しているのです。

 

「自分が何だかわからない」うちに寿命が尽きてしまったら、虚しいですよね。

大きな役割を手放すとき、エゴは悲しむけれど魂は喜んでいます。「やっと、わたしの望むことに取り掛かる順番が巡ってきた」と。

 

次回は「チャップリンとヒトラーのホロスコープ比べ読み」次々回はティール・スワン著「自分を愛せなくなってしまった人へ」の解説を、そのは「ヒロインの旅」の解説の続きを予定しています。

 

 

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