こんにちは、リブラです。今回は、「ヒロインの旅」の解説です。

 

 

 

「ヒロインの旅」第1章「女らしさを離れて」

・母を捨てる

 

スーザンは20代半ば。仕事は順調で恋人とも挙式間近だが、母への罪悪感に悩んでいる。

 

「わたしだけ幸せになってはいけない気がします。

シングルマザーで50代半ばの母は、経済的にも精神的にも大変です。

母が得られなかった成功や幸せを掴みたいけれど、それは母にとって耐えられないかもしれない」

 

「顧客が増えたの」とスーザンが話すと、母親は即座に話題を変える。

そうするとスーザンは傷つく。

自分の成功を申し訳なく思う気持ちと、不幸な母親への怒りが入り混じる。

 

才能を発揮できなかった母親は娘を過小評価し、目を背ける。

あるいは逆に、娘に過度な期待をかけて苦しめる。

 

母親が発するメッセージは複雑だ。

「わたしのようにならないでね。でも、わたしのようになりなさい」

「がんばって成功しなさい。でも成功しすぎてはだめよ」

どちらが本音かわからない。

 

スーザンは母親を1人の人間として捉えることにした。

母親がとった選択(娘の喜びを分ち合わない選択)を、1人の人間の選択として捉えて受け入れたのだ。

 

さあ、スーザンと母親の間には、いったい何があったのでしょう?

母を置き去りにして幸せになっていくスーザンが問題なのでしょうか?

スーザンの幸せを喜べない母親が問題なのでしょうか?

 

ここでのほんとうの問題は、スーザンが母親に「理想的な母親の対応」を期待してしまったことにあります。

 

もしも話す相手が精神的にも経済的にも困っている友人だったとしたら、スーザンは「顧客が増えて、仕事が順調」な話をしたでしょうか?しないですよね。

 

たとえ、それをうっかり話してしまったとしても、その友人が一緒に喜んでくれず、話題を変えてしまうことに怒りを感じることはなかったはずです。「いまは他人の幸せを喜べる余裕はないのね」と、さりげなくかわしたことでしょう。

 

この対応が「1人の人間の選択として捉えて受け入れる」ということです。

友人にはそんな対応をするであろうことが母親にはできなかったのは、スーザンが母親の前では「ほめられたい子ども」になっていたからです。母親も1人の人間であることを忘れていたのです。

 

娘の幸せを喜べない母は悪ではなく、そういう気分じゃなかったというだけです。

相手の反応が期待通りでなかったとき、その人を悪者にしたり、自分を責めたりするのは、女性たちがよくやってしまう過ちです。

 

期待通りの反応が返ってこなかったとき、その相手を悪者にしたり、自分を責めたりしなければ、傷ついたり怒りを覚えることもありません。「この話題には関心がないのだな」と理解して、別な話題に移ることでやり過ごせます。

 

母親を「承認欲求を満たしてくれる人」と期待するのをやめればよいだけのことです。

言葉の使い方、食べ方、振る舞いなどがわからない幼い子どもだったら、母親に認めてもらいながら身につけていく効果もあるでしょう。

 

しかし、社会で母親には及ばない活躍を遂げている娘には、もう、母親の承認はなんの効果もないのです。

スーザンがこの段階にいる時点で、母親は「承認を与える」立場ではなくなっているのです。

それを無意識に察知して、母親は「顧客が増えたの?すごいわね」という代わりに話題を変えるという反応をしたのです。

 

「家族や親密な関係にある人々は、みんなわたしの幸せを喜んでくれるはず」という期待は、自分と周囲の人々を傷つけてしまうことがあるのです。

 

この点に気づいていれば、「わたしだけが幸せになっていけない」という制限をかけることはないでしょう。

自分の幸せは「自分が認める」のが最も尊いことなのです。

自分の幸せを感じられるのは自分だけなのですから。

 

自分の幸せを誰かと分ち合いたいときは、その幸せに共鳴できるほど幸せな状態の人々にシェアすればよいのです。

そうすればその幸せはさらに増幅して感じられることでしょう。

 

幸せは感じるものであって、他者から認めてもらうものではありません。

自分の幸せは自分が喜ぶものであって、必ずしも他者が喜ぶものでもないのです。

 

そして、喜びの感情は他者に期待するものではありません

社交儀礼のように母親が自分の幸せを喜ぶ反応を見せたとしても、スーザンの罪悪感は募るばかりでうれしくはなかったでしょう。

 

相手の自然な感情までをコントロールしようとすることが、人間関係の問題を生みます。

スーザンは、このような体験から、「母親は娘の幸せを喜ぶべき」という期待を捨て、母の反応を1人の人間の選択として捉えて受け入れる」という答えを手にしたのです。

 

次回は「スピルバーグのホロスコープ」、次々回は「自分を愛せなくなった人々へ」、その後「ヒロインの旅」に続きます。

 

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