こんにちは、リブラです。今回は、「ヒロインの旅」の解説です。
「ヒロインの旅」第1章「女らしさを離れて」
・恐ろしい母と「ネガティブ・フェミニン」
「母」のアーキタイプ(元型)は大きく分けると2つある。
ひとつは無限に愛を注ぐグレート・マザー(太母)。
もうひとつは、抑圧や死を表すテリブル・マザー(恐ろしい母)。
どちらも幼少期の子どもの自我が発達するまで、母のやさしさ(グレート・マザー)は肯定的な力、母の無視や過干渉(テリブル・マザー)は否定的な力と認識される。
大人は母や女の力をテリブル・マザー(恐ろしい母)として感じがちだ。
母親の時代背景や家庭環境を考えずに欠点だけを見るから、否定的な母親像が心に残る。
娘を妬む母、口うるさい母、犠牲的な母、ネガティブ思考の母を見ると、娘は一刻も早く母親離れしたくなる。
「母のようにはなりたくない。似ているのさえ、嫌」。
この言葉の裏には、自分が自分自身の母になるのを恐れる心理が隠れている。
マトロフォビア(母親恐怖)と呼ばれるものだ。
これを母親は意識的に理解できず、離れていく娘を見ると、恩知らずで身勝手に自分を嫌って去ったのだと感じてしまう。
激怒して皿を投げる女は憤怒の女神カーリーとそっくりだ。
カーリーはヒンズー教の女神で創造/保護/破壊の三つの顔を持つ「黒い母」だ。
誕生と死の母。子どもを産み、殺しもする。
母権的な女神は父権的な宗教に飲み込まれていくことになり、カーリーの破壊力も女の力と一緒にされ、健康的なはけ口がなくなった。カーリーの憤怒がなければ人生は精彩を欠き、停滞する。
憤怒の女神カーリーにも例えられる恐ろしい母とは、感情を暴走させてコントロール失う女性の性質を表しています。
かに座神話に登場するヘラは、ゼウスの隠し子であるヘラクレスに執念深く刺客を送り、それでも殺せないとヘラクレス自身に狂気を送って我が子を殺させ、それを目撃したヘラクレスの妻を自殺に追い込みました。
我が子やゼウスに向けられていたヘラの愛情は、その家庭を脅かす者に対しては激しい憎しみに変わるのです。
かに座が愛する者とそうでない者を甲羅の内と外ではっきり区別するように、母性愛の性質も自身の保護下にある者への愛とそこから離れていく者への憎しみが表裏一体で存在します。
命がけで産み、全身全霊を注いで育てたはずの我が子が自身のコントロール下から外れるとき、そこに母親が執着する度合いに比例して母性愛は憎しみに変貌します。
グレート・マザー(太母)とテリブル・マザー(恐ろしい母)が混在する女性の存在は、男性から見たら不可解でしょう。
でも、女性から見るとそれが自身の内に潜んでいるのを感じるから、「母のようにはなりたくない。似ているのさえ、嫌」というマトロフォビア(母親恐怖)になるのでしょう。
はじめは愛だったものが憤怒や憎しみの感情と化して暴走し、破壊的な力となるのを女性は潜在的に感じ、それを避けたいと思うのです。愛情を注いでいるうちにその対象を飲み込んで一体化し、支配する不気味な力を自身が備えていることが恐ろしいのです。
かに座は12星座の中で最も母性的な性質を備えています。それは、単にヘラの嫉妬が描かれているからだけではありません。
子殺しの罪の贖いのためにヘラクレスが海獣ヒドラを退治に挑んだとき、突如、戦闘力のない大蟹カルキノスが捨て身で乗り込みヒドラを助けようとした行動にも表れています。
この不可解な行動に、母性愛の謎を解く鍵が隠されています。
海獣ヒドラと大蟹カルキノスは、海の仲間で友だちでした。
海は潜在意識の世界の例えです。
ヘラクレスは無骨な戦士でゼウスの血を引くので不死身です。
でも、ヘラに狂気を送られたくらいでかっとなり、愛する我が子の首を絞めてしまうほど、短気で無神経な男です。
ですから、海を戦場としてのヒドラとの対決は、ヘラクレスのメンタルを試される「12試練の第1関門」だったのです。
武力ではあっという間にヒドラを倒せても、そこに飛び込んできたカルキノスを踏みつぶしたのでは不合格でした。
ヘラクレスはヒドラを退治したのに讃えられず、友だちを助けるために死んだ大蟹カルキノスが天に上げられ星座になりました。
カルキノスはなぜ戦闘力がないのに、ヒドラを助けに行こうと思ったのでしょう?
これがかに座や母性愛を読み解く大事なポイントです。
カルキノスはヒドラのことを自分の身体の一部のように考えていたのです。
右手を切られそうになったとき、とっさに左手で防御しようとしますよね。
相手が自分より強いとか考える前に、思わず飛び出してしまったのは自分のかけがえのない一部としてのヒドラを守ろうとしたのです。
かに座の愛は自己愛の延長として甲羅の内側の人々に注がれます。
甲羅の内側と認識する親密な人々と共に幸せになりたいという思いが、かに座の愛の根底にあるのです。
そして、母性愛も母と子どもが一体化していると思うから、愛情を注ぐことができるのです。
ですから、母親のコントロールから外れて行こうとする子どもには、攻撃的になるのです。
自分の一部だったものが引き裂かれる痛みを感じ、裏切られたような思いに駆られるのです。
母離れは成長のプロセスで、母性愛は母親の自己愛の延長と思えば、無理してそれに付き合う義理もなければ、むやみに母親を敵視して戦う必要もなくなるでしょう。
「産んで育ててくれた母親を不機嫌にさせる悪い娘」という罪悪感も手放せます。
いつまでもへその緒でつながった胎児と勘違いしている母親に、母の遺伝子50%を継承するひとりの人間として、女性として、別な可能性を見せてあげられる存在として生きればよいのです。
もう、自分の身体の一部ではないのだと母親が認識すれば、母性愛を注ぐこともなくなるでしょう。
そして、精神的に自立した娘と対等に関わる大人として、新たな母子関係が始まります。
次回は「スピルバーグのホロスコープ」、次々回は「自分を愛せなくなった人々へ」、その後「ヒロインの旅」に続きます。
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