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閃めく経絡(ひらめくけいらく)―現代医学のミステリーに鍼灸の“サイエンス”が挑む!
3,024円
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こんにちは、リブラです。今回は、閃めく経絡の解説です。
25.少陰経―腎精は脳を満たす
「精成りて脳髄生ず・・・」―『景岳全書』張介賓著
中医学では腎精は脳を「満たす」とし、脳を「特異な髄」で満たされた骨であるとしている。
腎臓はカルシウムの排泄、再吸収もして、骨の形成と関わっている。
(中医学の)精と神経堤細胞が実質的に同じであるのは、胎児の副腎がつくられるとき、そこに陽の働きをするアドレナリン産生細胞を形成するプロセスで既に説明した(24章発生学のサーファー)。
神経堤細胞(精)が、脳細胞をつくり、副腎の一部をつくるので、腎と脳は、精で密接につながる。
腎不全と骨粗鬆症、脳萎縮の関連が、西洋医学の分野でも報告されている。
「腎氣盛んにて・・・精氣溢れ出て・・・故に子をつくる能有す」『黄帝内経素問』第1章
中医学では、右側の「腎」は「命門」の住みかであるとした。「命門」の機能の1つは、性的エネルギーである。
腎臓の上に乗っている副腎では、副腎皮質のコルチゾンからテストステロンやエストロゲンなどの性ホルモンもつくられる。
また、卵巣と精巣は、初期発生の腎臓から派生し、腎臓のそばから精巣動脈・卵巣動脈は始まっているのだ。
三千年前の医学の賢人には、顕微鏡による発生学の解明やホルモン分析もなかったが、腎臓が性欲や生殖を支配するということを知っていたのだ。とキーオン医師は言っています。
30年ぐらい前に東洋医学の本を斜め読みしていたときは、「腎臓がなんで性エネルギーと関係あると書いてあるのだろう?古代中国の人々は何を根拠にそう言っているのかな?」と思いました。
西洋医学を基盤に臨床検査の仕事をしていた20代の頃のわたしは、腎臓と副腎さえ別々に考えていたのです。
副腎皮質ホルモンが性ホルモンと関わっていることはその当時から知っていましたが、驚くべきはわたしの分離思考の度合いです。
「副腎はいろいろなホルモンをつくるところで、腎臓は血液を濾過するところで別もの」と覚えてしまうと、全くつながりがないように考えてしまうので、固定観念とは恐ろしいものです。
解剖や超音波でも腎臓はよく見てきた臓器ですから、副腎がまるで一体化しているように腎臓の上にくっついているのも目にしてきたはずなのに、です。
副腎は2~3cmの小さな臓器で、正常な場合は超音波では腎臓と一体化していて見分けがつきにくいのです。
だから、副腎がしっかり超音波で観察されるときは、腫れているか、腫瘍ができて大きくなっているときだけです。
異常がない限り腎臓に隠れて見えなくなるほど一体化しているのを知っているはずなのに、「副腎と腎臓は別もの」という分離思考が働くと、「副腎の性ホルモンのことを腎臓のことだとして言っているのだろう。機能は違っても一体化するようにくっついているから、そう見えるのだろう」という考えに及ばなかったのです。
西洋医学では症状に対しダイレクトに作用する薬や治療を施しますが、中医学では身体全体に作用が巡るようになって、徐々に体質が変化し、症状が解消されていくような治療です。
身体が機械の部品のようであれば、傷んだ箇所だけ治したり、取り除いたりする細分化思考の西洋医学が適しているのでしょう。
でも、人間の身体は、機械のように規則正しい秩序に守られながらも、全体性と全臓器・全細胞が複雑につながり合い、コミュニケーションを保つところで成り立っています。
だから、身体内部の連携を考えた中医学のような医療も、ほんとうは必要なのだろうとこの本を読んでいると感じます。
副腎は、感情を盛り上げ興奮させ、行動に駆り立てるアドレナリンも、その興奮や緊張を緩めるコルチゾールも、性欲を誘発する性ホルモンも産生し、そこに中医学で言う「精氣」が働き、生殖活動につながって子孫の誕生・種の保存に至る・・・というメカニズムが、見えてきました。
現代人が異性と感情的な恋愛して、性の営みの結果として子を授かるというプロセスが、古代中国の賢人たちには、腎精を蓄えた男女が、「精氣」の勢いで相手を求め合い、その営みで子を授かるというふうに映るのでしょう。
わたしたち人間は、身体のホルモンや「精氣」に乗せられて行動しているようにも見えますね。
わずか2~3cm4gの臓器が、ヒトの「恋は盲目状態」をつくり出していると思うと、不思議な気分になります。
副腎を元気にすると、年をとっても大恋愛してみたい気分になるのかしら。
100歳のおばあちゃんになるまで生きていたら、実験してみたいと思います。
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