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閃めく経絡(ひらめくけいらく)―現代医学のミステリーに鍼灸の“サイエンス”が挑む!
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こんにちは、リブラです。今回は、閃めく経絡の解説です。
25.少陰経―腎と副腎ーアドレナリンとコルチゾール
「氣」は、最も大きい動脈に沿って心から移動し、上方へ向かい、腕と脳へと出る。
下方で最初の大きな分岐は腎動脈である。腎動脈の左右の分岐は、左右の腎臓を保持する。
中医学では、腎臓そのものよりも、腎臓の上に乗っている副腎の機能について説明されている。
西洋医学では、腎臓と副腎を機能でわけて別の臓器としているが、中医学と発生学では、腎臓と副腎を1つのものとしている。
中医学では、腎を「精(生命力)」の貯蔵し、「陽」の性質を持つとしている。
発生学的に副腎を見ると、「腎が陽の性質を持つ」ことの裏付けになることがある。
副腎内層(髄質)は、脳・脊髄と同じ外胚葉由来で神経堤細胞が形成し、「陽」の性質のアドレナリンを産生する。
アドレナリンは交感神経に作用し、「闘争・逃走反応(闘うか、逃げるかの行動に駆り立てる)」を起こし、心拍を上げ、代謝速度を上げ、興奮や注意を促し、行動する準備をする。これらは、中医学で言う陽の性質である。
アドレナリンは、細胞に入らず、外側で分解されて作用するため既に存在する物質に働き、効果に速攻性はあっても、持続性はない。
同じ副腎にありながら発生学では中胚葉由来の副腎皮質では、コルチゾール(ステロイドホルモン)が産生される。
コルチゾールは、糖やタンパクの代謝、副交感神経優位に作用して緊張緩和を促す。アドレナリンとは反対の陰の性質を持つ。
そして、コルチゾールは、細胞内の核に働いて、新しいタンパクや細胞を作らせるので、持続的な効果を発揮する。
ただし、身体の修復のため筋肉や骨からエネルギーを引き出して、新しい物質を作らせるので、筋肉を細らせ、骨粗鬆症を招くこともある。
副腎はこの他にも重要なホルモンがたくさんある。とキーオン医師は言っています。
わたしたちがストレスを感じるとき、脳でもノルアドレナリンやそれを中和させるセロトニンが分泌されますが、副腎でもアドレナリンやコルチゾールが分泌されます。
学生の頃、ホルモンの名前や作用を覚えるとき、身体にとって重要な作用ほど、いく種類ものホルモンが同じ作用をもつことを不思議に思ったものです。
例えば、血糖値を上昇させるホルモンには、今回登場した副腎髄質ホルモンのカテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン)と副腎皮質ホルモンのコルチゾール、アルドステロン。他にも成長ホルモン、甲状腺ホルモン、グルカゴンがあります。
これに対し、血糖値を下げるホルモンは、インスリンだけです。
糖尿病について学んだときは、インスリンが作られなくなる病気ですから、どうしてこんなに大切なホルモンが、たった1つしかないのだろうか?と思いました。
でも、それは、豊かな食に恵まれた現代人の発想であって、自然界に生きる動物として考えたら、1つあれば十分なホルモンであることも、人体のしくみを学ぶうちわかってきました。
血糖値を上げて活動していないと、食べ物にありつけず、敵と闘ったり、逃げたりできません。
逆に、血糖値を下げるホルモンがたくさん要るほど、高カロリーの栄養を1度にたくさん食べる機会など、ヒトの身体ができた大昔は、なかったのでしょう。
ヒトの身体を詳しく知っていくと、現代人の思考と原始の本能を持つ身体の不協和音が聞こえてくる感じがします。
寄生虫を退治するためにIgE抗体をヒトの免疫システムに備えたけれど、現代では寄生虫感染はそれほどの脅威ではなくなりました。
力を持て余したIgE抗体は、仮想敵の花粉に攻撃を仕掛けるので、花粉症というアレルギー疾患をつくり、人類を悩ませているのです。
今回登場したアドレナリンも、「闘争・逃走反応」を起こすためのホルモンなので、必死で闘ったり、逃げたりしなければ生き残れないほどの恐ろしい敵など、現代には、ほとんど遭遇しませんから、仮想敵を相手にストレスをつくり出している感じもします。
思考でいろんな不安や緊張が出てくる度に、身体の方はアドレナリンで心臓をバクバクさせながら「敵はどこだ?逃げるのか?闘うのか?早く決めてくれ!」と訴え、仮想敵だから闘うことも逃げることもできず、ぐるぐる思考を巡らせていると「闘うか逃げるか」すれば、すぐ解消される不安や緊張状態がいつまでも続いてストレスになり、中和のためのセロトニンや緩和のためのコルチゾールが出動するのです。
ちなみに、わたしたちが情動に煽られて涙を流すとき、抗ストレスホルモンのコルチゾールが涙の成分に含まれているそうです。
だから、怒りや悲しみや感動で、心を揺さぶられて泣いたあと、意外と気持ちがスッキリするのはコルチゾール入りの涙だからでしょうか。
身体は今日も無言で、いたれりつくせりの配慮をしてくれるのです。
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