こんにちは、リブラです。今回は「閃めく経絡」の解説です。

 

11.トリッキー・ディッキーと小さな刺し傷

「トリッキー・ディッキー(狡猾なニクソン)」とあだ名されたリチャード・ニクソン大統領が中国を正式訪問した際、中国では鍼麻酔で心臓手術が行われていることが、世界中に知られることになった。

実際には、鎮静薬剤と針治療の組み合わせで、全身麻酔なしの手術を行っていたのだが、それでも西洋の意識に「鍼灸」が放たれるきっかけとなった。

 

西洋の科学界では、目に見える何かを鍼灸の経絡に探そうとしたが、解剖学上では見つからず、鍼を刺すことにより、エンドルフィン(体内でつくられる自然の鎮静剤)の血中濃度が上昇することを突き止めた(鍼灸のエンドルフィン説)。

 

しかし、通常、鎮静作用のある薬剤や麻薬(アヘン、モルヒネ、ヘロインなど)などのエンドルフィンと同じ受容体に作用するものは、嘔気を生じる副作用があるのに対し、鍼灸の効能は、・血圧降下・心拍調節・気道拡張・嘔気緩和が挙げられる。

鍼灸によって体内のエンドルフィンが上昇しているだけとする「鍼灸のエンドルフィン説」だと、嘔気が緩和される効能がどうして起こるのかは、説明がつかない。

 

そして出てきたのが「鍼灸のゲート・コントロール説」。

脊髄の「ゲート」が、痛みや刺激などの神経情報系を脳に上げるか否かを決定している。刺激があるとそれを脳に伝えるため「ゲート」が開くが、繰り返しの新たな刺激が起きると「ゲート」を閉める。

このコントロールが働くため、強打した場所を思わずさすると痛みが和らぐように感じる。

 

鍼を刺すという刺激が「ゲート・コントロール」になっているのではないか?という理論だが、やはりこの説も鍼灸の効能の謎を解明できていない。

 

それにもかかわらず、西洋医学の鍼灸への探求は続き、2004年、ハーバード大学医学部のチャールズ・シャン医師が「鍼灸の成長コントロール理論」を発表して、「鍼灸とツボ」の2つの融合という考え方にたどり着いた。とキーオン医師は言っています。

 

鍼灸は毛沢東による文化大革命が起きるまで、その知識は一子相伝で、文字よりも口伝によって伝えられていたものだそうです。

それが強制的に「伝統的中医学」として体系化されるようになったのは1960年頃のことなので、歴史が古いようでそうでもなさそうな分野なのです。

 

だから、西洋人にとっても中国人にとっても鍼灸は、まだまだ、ミステリアスな神秘のベールに包まれた医療なのでしょう。キーオン氏はこの章の中で、老師の道徳経の11章を引用して、「見えるものを探そうとする」西洋人に、「見えないもの(空間)」の有用性を説いています。

 

「器の中に空間があってこそ器としての働きをする」―老師―

細胞の間、臓器の間、ファッシア(膜)の間にある空間。そこに鍼灸の経絡が存在している。そこに伝えるものは、成長因子(モルフォゲン)であろうと均一な電気であろうと、必要量はごくわずかであるため、経絡は空っぽに見える。―ダニエル・キーオン―

 

道家が門外不出で守り抜いた「黄金の華の秘密」(老師が書き置いていった氣を使うための瞑想法)も、鍼灸も、文化大革命で外の世界に引きずり出されることになったものの、神秘的で不可解なところも削ぎ落とされ、未完成な完成版として世に普及することになったようです。

 

血管も神経も未成熟な胎児の臓器を、せっせとファッシア(膜)で包み、そのファッシア伝いに「氣」を流して、成長するための指令を送っていたくらいですから、身体の神経伝達を一時的に遮断したり、復活させたりも、それに関係する経絡をうまく扱えれば、できるのかもしれません。そうなったら、もっと安全に麻酔がかけられるようになるでしょう。

 

わたしは内視鏡技師として働いた経験があるので、麻酔のありがたみも怖さも知っています。

胃や大腸の内視鏡は苦痛やストレスを伴う検査なので、麻酔で眠った状態で行えば苦痛も恐怖も感じません。

麻酔薬は健忘作用もあるので、麻酔をかける前後のことを全く覚えていない人も中にはいます。

だから、苦しい怖い検査だったと記憶に残らないので、次回も安心して受けられのかもしれません。

 

全身麻酔で1番怖いのは、眠りが深すぎで呼吸をするのをやめてしまうことです。

検査中はずっと酸素飽和度を監視し続け、基準値よりも酸素飽和度が下がる場合は、「息を吸ってください」と声かけしたり、酸素吸入を器具を取り付けたり、それでも酸素飽和度が上がらないときは、麻酔の拮抗剤で覚醒してもらいます。

 

麻酔で使う鎮静剤は、エンドルフィンと同じ受容体なので、麻薬で誘発される高揚感や気持ちよさがあるようで、内視鏡検査の後、ぐっすり眠る心地よさと寝覚めの気持ちよさを味わいたいがために、毎年検診で内視鏡検査を受けているという人もいました。

 

麻酔は呼吸が止まってしまうほど深く眠ってしまう危険があるので、観察者なしで眠る目的で日常的に使用するなんてありえないことなのですが、それをやってしまって死んでしまったのが、マイケル・ジャクソンでした。

彼が睡眠用に常用していたプロポフォールは、拮抗剤が存在しない麻酔薬でした。つまり、呼吸しなくなるほど深く眠ってしまっても、目覚めさせる薬はないのです。

その代わり、薬効が切れると即座に覚醒するのです。

こんな危険な薬を、どうして睡眠薬として使用していたのか、雇われていた医師は何を考えていたのだろう?と不可解でなりません。

 

次回はアレイスター・クロウリーのホロスコープを、次々回は「さとりを~」の続きのお話を、その後「閃めく経絡」の続きを予定しています。
 

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