- 未来は、えらべる!/本田健
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こんにちは、リブラです。
今回は「未来は、えらべる!」の中の「ネガティブ観念のトリックの気づき方」について考えてみたいと思います。
前回のお話で「観念」とはその人が意識的にも、無意識にも真実だと信じこんでいるものだということ、
その「観念」は様々な出来事や経験から、自身をより安全により有利に生かすためにできあがったシステムであるということ、
本人が成長しようと新しいことに手を出したり、変わったことをしようとすると、「古いネガティブな観念」は「怖れ」を発生させて、それを阻止するように働くこと、
がわかりました。
「選べる未来」を手に入れるためには、この「古いネガティブ観念システム」に引退願わなければならないのです。
「古いネガティブ観念」も捨てられたくないので、ふだんは気づかれないようその存在を隠しています。新しいシステムが導入されないように、抜け目なく監視を続けながら。
でも「夢を実現する」とか「ワクワクすることやろう」と思いついただけで、あなたの耳元に忍び寄りこう囁くのです。
「夢は夢、現実とは違うんだよ。足元の方にしっかり目を向けてないと、今ある約束された生活だってなくなっちゃうかもしれないんだよ。」
それでもあなたが「夢」を描き続けていると、
「どうやって食べていくの?夢ではお腹はいっぱいにならないんだよ。」とちょっと強い口調で囁きます。
なんだか、洗礼直後に荒野で断食していたイエスに、「世界をあげる」とか「石をパンにしてみろ」とか言って、ちょっかいだしてくる悪魔みたいですね。
あのシーンはもしかしたら、イエスとイエスのネガティブ観念の対話を描いたものなのかもしれません。
イエス(覚醒者)だったら「人は、パンのみで生きるにあらず。悪魔よ、失せろ。」となんの動揺もなく言えます。だから悪魔が見せていた誘惑のビジョンも跡形もなく消え、すべては幻想だった・・・。
となるのですが、わたしたち普通の人間にはここから先が「恐怖のピーク」なのです。
もし、あなたがネガティブ観念の囁きを振り切って「夢を現実にする」行動にでたとします。
「もう、守ってやらないからな。知らないよ。どうなっても」と捨て台詞を言って、ネガティブ観念は退場しますが、あなたを窮屈に閉じ込めていたケージも消えちゃいます。
あなたがもし、この時点で次に向かう先(あなたが現実にしたいと思った未来)を、明日の予定のようにごく自然に思い描け、起ころうとしているすべてに心からワクワクしているとしたら、荒野のイエスと同じレベルです。もう、ネガティブ観念に邪魔されることはありません。
しかし、少しでも「怖れを」感じ、「ほんとうに欲しい未来にたどり着くのだろうか」と「不安」がよぎったら、立ち止まってください。
そして、「怖れのビジョン」と「夢のビジョン」のどちらにリアリティを感じているか、そこで再確認してください。
「怖れのビジョン」の方にリアリティを感じるようだったら、まだ、夢に向かう心の準備が整っていない証しです。無理をしないで、戻っていつもの生活をしながら「夢のビジョン」を育ていきましょう。
バシャールは「勇気をかき集めてまでして、夢の実現への行動をしない」ことをすすめています。
なぜなら、「勇気をかき集める」のは「怖れ」をもっている証拠であり、そのまま行動すると、「怖れ」が現実化し(強い感情を伴うほうが現実化されるので)、ネガティブ観念に「ほら、だから言った通りになったじゃないか。夢なんて叶わないものさ」と囁かれ、チャレンジをあきらめてしまうからです。
「怖れ」はないのだけど「夢」にリアリティを感じられない人は、「ほんとうにワクワクする夢」を探しに行かなければいけません。
窮屈なケージ(ネガティブ観念に閉じ込められた世界)が我慢できなくて飛び出したけれど、ワクワクするような世界が見つからない。
じつはこの状態が、「一番深い怖れ」を感じるときなのです。
わたしの師匠のゲリーはこれを「魂の暗い夜」と呼んでいます。
心が成長すると古い枠組みは窮屈になり、そこを出て行けばすぐ、自分にふさわしい場所に移動できると思ってしまうのですが、飛び出してすぐ向かうのは底なしの奈落です。真っ暗で、だれもいなくて、自分の心の力(想像する力)だけでしか這い上がれないところです。
ここには、「魂の暗い夜」が明けるまでいなくてはならないのです。
「魂の暗い夜」のときは、ちょうど蛹のなかで一回溶けて蝶に生まれ変わる幼虫のような状態です。
元の自分に戻ることはできないし、この先自分がどうなるかわからないし、救い出してくれる人もいない。
みんなこの恐怖をなんとなく予想しているので、夢に(ワクワクすることに)向かうのを怖がるのです。
「ワクワクすることをやりなさい」といっておいて、向かった先にこんな恐ろしい場所が用意してあるなんて、ひどいじゃないかと思う人もいるかもしれません。
でも、この場所でやっとあなたは「ほんとうのあなた(魂)」に出会うのです。
ネガティブ観念は外の世界のルールであなたを守ってきたので、あなたの内側にある「魂」とは仲良くなれないのです。
あなたがネガティブ観念の囁きを真実だと思えば、「魂の声」はどんどん小さくなり聞こえなくなって、わからくなってしまいます。つまり、ほんとうの自分もわからないし、どんな方向にほんとうは向かいたいか、どんな自己実現がしたいのかわからない状態です。
ネガティブ観念の世界から飛び出て、初めて、あなたは「ほんとうのあなた(魂)」の声を聞こうと耳を澄ませるのです。
バシャールは中国の陰陽のシンボル(太極図☯)を例にあげてこれを説明しています。
「どんな光の中にも1点の闇を、どんな暗闇の中にも1点の光を見出すことができる」と、このバランスこそがパワーポイントだと。
あなたが真っ暗な奈落にいるときこそ、あなたの光(魂)と再び手を取り合い、あなたの全体性を実感するチャンスなのです。
どうやっていつ明けるかわからない暗闇の中で、自身の魂と再会できるのでしょうか?
バシャールは瞬間、瞬間の「ワクワクを追え」と言っています。
最初から、大きなライフワークを見つけようとするのではなく、自分の中に「ワクワクする感覚」があることを、瞬間ごとに見逃さずに探す。
そうすると、魂も一緒に共鳴するのを感じて見つけやすくなるということです。
魂は「喜び」のハーモニクスしかもたないので、「ワクワク」が魂探知機になるのでしょうね。
次回は、「未来は、えらべる!」第2章「運命は、変えられる」についてお話したいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。