EAに寿命はあるのか?
これはFXの自動売買をやっている方なら一度は聞いたことのある問
だと思います。そして答えはいつも決まって、「寿命はある」とい
うことになっていると思います。
確かに、こういう答えが出てくるのもわかります。ほとんどのEAは
一時期調子がよくても、必ずといっていいほど不調に陥る時期が来
るし、そのまま調子を戻さないまま低迷するEAもあるからです。
かつて自動売買を始めたころは、私もあまりEA選びを慎重にせず、
直近の成績が好調なだけのEAを購入したりしていました。そして2~
3ヶ月使用したらその後使えなくなる、そんなことも少なくなかった
と思います。
でもこんなEAって、寿命がきたから使えなくなったというよりも、実
はもう“既に死んでいた”と言えないでしょうか?
ここでの問題は、そんな“お前はもう死んでいる”的なEAの話ではなく、
しばらく勝っているEAが勝てなくなったときの話ということですね。
私の考えを言えば、結局のところEAの“寿命”というのは相場の変化に
EAのロジックが対応できなくなった時に使う表現なのですが、それだ
けで、“寿命”だと言えるかどうかはすぐにはわかならない、というこ
とだと思います。
つまり、この変化が一時的なものにすぎず、少し前のそのEAが通用して
いた相場に近い状況になってまたそのEAが使えるようになるのであれば、
そのEAは一時的に勝てなくなった段階で“寿命”が来たとは言えないわけ
です。
他方、その市場の変化がそのEAにとって本質的なもので、ロジックがそ
の変化以後根本から通用しなくなったということであれば、“寿命”が来た
ということになると思います。
まあ重要なことは、EAの寿命のことを考えるよりも、EAを選ぶ段階で多
様な市場の変化を乗り越えて稼ぎ続けてくれるようなEAを選ぶというこ
とでしょう。
つまりEAにとって重要なのは“寿命”より“生命力”の高さ(=相場の変化
への適応力)ということだと思います。
ではどうやってそんな生命力の高いEAを見つけるのか?
私だったら長期で活躍しているEAを探します。長期で稼ぎ続けていると
いうことは、為替相場の多様な変化に対応できるロジックを備えている
可能性が高いと言えるからです。
リーマンショック前は勝てたのに、それ以後勝てなくなった、あるいは
その逆、というのではなく、多少浮き沈みはありつつも、前も後もずっ
と勝ち続ける方がいいに決まってます。
だからバックテストであっても、過去5年よりも10年、10年よりも20年
右肩上がりのようなEA、フォワードテストで3ヶ月で100%の収益率のE
Aより、3年間で100%の収益率のEAの方を選んだ方が生命力のあるEAを
掴む可能性は高いということです。
当然のことですよね?
長くなりましたが、言いたいことは二つです。
・EAの寿命については慎重に考えるということ。
・EAは生命力(=相場の変化への適応力)を重視して選ぶということ。
それでは今回はこの辺で。