2016イタリア夏季遠征 20日目 | 今日もリベルタ

2016イタリア夏季遠征 20日目

8月16日(火)

今日はパーフェクトなコンディションになりました。昨夜、と言っても8時くらいに夕立が来たのですが、雨雲が過ぎた後は風が吹いたので、それも功を奏したようです。バーンは完璧に固まり、これ以上を求めようのないくらいでした。

コースセットを終えて、選手のフリースキーをチェックしに向かうと、突然話しかけられました。明らかに選手なので、一緒に練習入れてくれという感じでもなく、何かと思えば、自分が被っている帽子が欲しいとのこと。そいう言えば、昨日のバーンミーティングに訪れたホテルのまで、「そのヘッドがクール!」と声を掛けてきた若者がいたっけ。

聞けば、オーストリアのスキークロスチームの選手で、ご丁寧にも交換用のヘッドバンドまで持ってきていました。面白そうなので承諾。やたらと喜んでいました。スキークロスのW-CUP選手で、日本にもレースで訪れたことがあるそうですので、何かの機会にこのピンクの帽子を見かけるかもしれませんね。帽子のよしみです、頑張れ!

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それはさておき、今日のトレーニングはGS。「パイヤー」という、少し裏に入ったところにあるコースに移しました。距離はスキー場正面バーンよりも少し短くなりますが、斜面変化が大きくて実戦的な斜面構成です。満を持してという訳です。

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初めてのコースということもありますし、雪も硬かったので、徐々に慣らしながらという感じで始まりました。やはりという感じで予想はしていましたが、少しコースに慣れてくると、これまで練習してきた動きではなく、技術的な「揺り戻し」が見受けられましたが、個々の課題を見つけると、そこからは精力的に滑りこみました。15本近く滑った選手もいます。最後は、「もう滑れない~」という選手もいましたが、それは肉体的というより精神的な面で、集中力を使い切ったからです。これまでのトレーニングでは、身体が疲れたとしても、こんなことはありませんでしたので、相当集中してトレーニングしていたのでしょうね。こういったトレーニングを求める段階ですので、それで良いと思います。

コースの感じが出るように、いろいろな角度から画像をキャプチャーしました。選手が小さすぎて誰が誰だか分かりにくい画像もありますが、この斜面は完全な逆光となりまして、そこにシルエットの選手と雪煙とのコントラストが良いのです。















ドイツから来たマリーとルーシーは、今日も一緒にトレーニング。ちょっとまっすぐに突っ込みすぎでしたが、パワフルにスキーを抑え込んでいました。彼らは、今日帰るとのこと。この後は、オーストリアかどこかの条件の良い場所を選んでトレーニングを続けるとのことです。コーチのマティアスとは、再会を約束してお別れしました。グッドラック!

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こちらにいると、いろいろな人に出会います。札幌五輪の金メダリスト、マリー=テレース・ナディヒ女史です。私もお名前しか知らないレジェンドですが、まさかステルビオでお会いするとは!スイスからの選手を3人連れて、ガンガンとトレーニングさせていました。

しかも、コースはお隣同士。とてもフレンドリーで、いろいろとお話しを聞くことができましたし、ウチの選手にもアドバイスまでしてくれて、感激。

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トレーニング後の片付けも、こちらのチームに負けないくらい素早くなりました。年齢差、経験差はありますが、今の自分でできること、やった方が良いことを判断して、各自の判断で動けるようになってきたことが大きいですね。安心して任せられるようになりました。

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天気予報では15時から夕立の予報でしたが、ミーティング後の空模様を見ると、どうやら大丈夫そう。
観光シーズンでゴミゴミしている場所で運動するのも何なので、今日のコントレは歩いてロープウェイの中間駅まで行くことにしました。ずっと上り坂なので心肺機能を刺激できますし、身体の後ろ側の筋肉を使えるのも良いので。それに、いつかやってみたいと思っていたのです。

目指すは、あの建物。いざ出発。

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歩くこと30分強。到着です。
それにしても、みんな体力ついたと思います。なにしろ、ただ歩くだけではありません。かなり急勾配の上り坂しかありませんし、標高は3,000mです。そこを休みなく最初から最後まで同じ速さで歩き続けられた体力は、この前の「十字架山」に登った時とは別次元です。もしかしたら、体力がついたのではなく、きついことに対する耐性が付いたのかもしれませんが、そうであれば精神的な「体力」が向上したということですね。

ロープウェイ乗り場にて。
いつもはゲレンデとの行き帰りの「通過点」ですが、目的地となり出発地となった今は、いつもとは違った景色が見えたようです。今日のコントレは、ホテルで休息したいという選手が2名いましたので、ここで全員が揃わなっかのは残念。でも、それで良いと思います。各々にはペースというものがありますし、周囲に流されず、自分にとってのベストを体現できるようになってきたことを評価したいと思います。何しろ、我々は「LIBERTA(リベルタ)=自由」ですからね。

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今日の金言。
「リラックスしろ。毎日ベストを尽くせば大丈夫だから」 by スロベニアのコーチ

朝のロープウェイ乗り場で半分冗談で会話していた中で出た言葉ですが、妙に琴線に響きました。
そして、それは明日の我々のことですね。何しろ、明日はトレーニング最終日。気が付けば…!! という感じです。だからこそ気負わず、ベストを発揮すれば良いのです。

コースは同じくパイヤーで、SLです。
あと1日ですが、革命的な経験には1日あれば十分です。
さあ、明日を最良の1日にしましょう!

では。