金沢「つる幸」を記すにあたっての私の訳 | おひろのブログ・libe

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思い付くままに…

家人が株式会社を興した時の始まりの頃の社員の一人が石川県七尾市穴水町の方でした。

(幸い、今は愛知県内です。)

同郷の女性と結婚がきまり、式に出席する為に、車でその地に行きましたが、遠くて遠くて疲れ果て、その上、料理が全く口に合わず、翌日の帰路の車内で空腹と疲れで半病人みたいでした。

他の社員はまっすぐ名古屋にもどりましたが、家人が

「金沢に寄れば、きっと食べたいものが有ると思うよ。」

その言葉で俄然、元気が出て

近江町市場に行きたい、金箔屋さんで菓子に飾る金箔が買いたい、と私。


金箔屋さんは、すぐ探せ、金箔と銀箔の小さな物を購入している時に、店内に柚べしを見つけました。

柚子の中をくり抜き、味噌に胡桃や麻の実他を詰めて蒸してから、1個ずつ、和紙に包んで寒気の軒下等に干して、色も硬さも変化した物は酒のアテにもなり、ごく、薄く切っていただきます。


大喜びして5個?位購入してから、応対して下さった女将さんに、近い所で美味しいお昼ご飯を頂けるお店はご存知無いかと、お尋ねしました。

とても、美しく優しい方で、

「お若いのに柚べしをお求めな位だから、食いしん坊さんでしよ?

取っておきの私もよく利用する料理屋さんが有るけれど、今日は茶の湯の茶懐石で入れないと思うから、虫塞ぎを戴くカウンター席に空きが無いか、私から電話をしてあげる。」

そして6席しか無い店でしたが、予約が取れて、近くの近江町市場で買物の後に入店しました。

当時6千円のお食事は、今なら倍額位に相当するのか?

カウンターの中の板前さん二人は若い方でしたが、汚れ一つ無い真っ白な板前姿で、こういう店は美味しいはず。

「上の座敷の高い料理じゃなくても、ここで、充分に満足していただけるはずですから、お嫌いな物だけ言って下さいね。」

の後に、約2時間近く、本当に堪能しました。

金箔屋さんにも、電話でお礼を伝えました。


数年後、ママに食べさせたく料理教室の友人も同行して、四人を予約し日帰りで行き、ママも友人も感嘆していました。


その後の1回は、違う友人といき変わりなく良かったけれど、次が二代目が帰ってからで、それが最後になりました。 


二代目が、もう少し「つる幸」の味を見なおした頃に、また来たいね。



この度の震災に依って被害を受けてないか?

お尋ねしたくて電話して閉店を知り、

二代目は近くで、カウンター11席のみの店をしている事、

前のブログでお伝えした、創業者であった先代の、関西の料理界における重鎮であった事…etc


それ等は、閉店を知った昨日から、Yahoo検索で、何故こんな事になったかを知りたく、調べた内容なのです。


私は何によらず、「好き」は深堀りする性格だし、大切に思う店は多くは無いから…、以前にも、京都の渡月橋の下の州にある料理屋「錦」に川の水が流れ込む程の水害に合った時にも電話で安否確認をしています。

ここは「つる幸」よりは格段にリーズナブルですが、美味しいですよ。