診察も出来なかった.ママに関わった先生に | おひろのブログ・libe

おひろのブログ・libe

思い付くままに…


 

ママが病院を一時退院後したのは、担当医が「もう一度、自宅で家族との時間を…」

の気持ちであり、医大は再入院の準備もしてあった。

ママは一度、車椅子を押しながら院内廊下を歩行中に、転びそうになり、車椅子の背もたれ辺りが胸に当たったから痛いと言い、余りに辛そうで、弟と担当医に面談し、結果的に麻薬処方の坐薬を一つ貰った。

病院に戻るのは厭そうで、担当医は、それなら麻薬を取り扱い出来る開業医を急ぎ探す様に言われ、座薬を弟に託し私は開業医探しに奔走した。翌日に往診や点滴等を予定し、先生は、

「誰しもそうだが貴女も、お母さんに生んでもらった感謝は伝えてないと思う。どのタイミングかは自分で決めるしか無いが、きちんと感謝を伝えなさい。」

そう、言われた。

ママの傍らに行くと、麻薬が効き、痛みが消えて穏やかな表情で寝入っていた。


翌日の早朝にママは、雲のもっと上の世界にひっこした。

私に、ママがいこうとするサインが判り「ママ、生んでくれてありがとう」

ママにすがり、大きい声で言えた。


思い付きもしなかった事を教えてくれた先生には、心の底から感謝している。

でも、お礼を伝えていない。

医院の前を通りかかった時には自分勝手に、お礼の言葉をつぶやく。

ありがとうございました、と。