芥川龍之介読み聞かせ・煙管を聴いた | おひろのブログ・libe

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思い付くままに…

金沢城の12代城主、前田斉広が高名な煙管(きせる)職人に作らせた愛用の金無垢の煙管を江戸城参勤の時、本丸に登城の際は必ず持参していて常に手元にして、自分の中で得意に感じていた。

見せびらかす訳でもなく傲慢心も無く、加州百万石の城主の持ち物として身分相応ではあるが、特に煙管に強い愛着があるという訳などはない。

そういう煙管を日常、口にし得る自分の立場を心の中でだけ得意に感じているのだ。

彼自身が何の言動無くとも大名の中での、斉広が格上の位置にいる印とも見られる煙管を他の代名たちも本人に褒めそやす。     

本丸の茶坊主達も、よく目にするのでが集まると寄ると、その煙管の話題が尽きる事なく、その煙管で吸う煙草はさぞ、旨かろうとか…。

通りかかった、切れ者の御数寄屋坊主の河内宗俊が耳にして、そんなに良いなら拝領を申し出でれば良いではないかと、けしかけるが、誰も腰が引け、その間に宗俊が「それならわしが・・・」と言いおきすぐに斉広の元に行き、まんまと拝領してしまう。


その後にも短い話の続きがあるが

私が、この小説に依って、一番惹かれたのは拝領のシーンというべきか言葉のやり取りが、とても興味深くておもしろい。

いえ、交わす言葉は非常に少ないから、場面と改めて、二人の軽い神経戦みたいな会話が何故か面白く感じた。

は、兎も角、判らないのは御数寄屋坊主という者たちの立場で、

御数寄屋坊主はそもそも城内の茶をもてなすのが仕事なのに、どうも百万石程の大名でも、彼らに遠慮が有るらしく、それ故、齊広も、さも惜しげ無いふうに与えている感がする。

何故の遠慮かがスマホ検索くらいではヒットせず、気になって仕方が無いので

どなたか御存知の方は教えていただけないかと期待して投稿する事にしました。

小説内でも、河内宗俊ゆえとは限らず、の感じでした。