芥川龍之介「沼地」を聴いた | おひろのブログ・libe

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思い付くままに…

2回目かな?聴いたのは。  ごくごく.短い美術館での事が描かれている。

主人公は雨の午後に絵画展で、油絵具で描かれた「沼地」という作品を目にして、惹きつけられ長く佇み、観いる。

力強く、鋭い程に自然を掴み作品に取り込もうと…

とは私の解釈であり、その作品は多分、普通に美しいのではなく作風の個性が全面にでているのかも知れないが兎に角、胸を掴まれ魅了されたのだ。

彼の傍らに新聞の美術記者が来て

そんな作品には価値が無いかの様な言い方で、

更には、作者は既に他界した。生きていた時から気が狂っていたとか死んでたようなものだ、とか余計な口出しをする

しかし、主人公は、記者の言葉を意に介さず

「傑作です。」と、言い放つ。


と、いう様な内容と読みました。

作中に出る記者とか、自分は描けないのに評論だけする輩に、どれだけ若い芸術家の芽が摘まれてしまうのか。


分野は違えど、山本周五郎は直木賞をはじめ、全ての賞の受賞を断っている。

理由は様々いわれるが、夫人に言った

批評家に批評される為には書いていない

私の小説を好んで読んでくれる読者が一番の賞だ。


ところで

私には変な癖(ヘキ)があり、文学でも絵画の世界でも俳優や歌手でも、

好きな人を見つけると、その人のバックヤードみたいなものを知りたくなる。

そうして、より深く好きになる事も多い。画家で言えば、外国ならユトリロとかフリーダ・カーロがそうであり、日本では何と言っても鉄道事故で夭折した石田徹也であり、彼の作品の多くは外国に流失してしまい、大変に惜しく思う。