大型トラックを砕石運搬業者にセールスしていた、昔の友人に聞いた話。所謂、砂利トラの運転手を雇って、会社を経営していた経営者の娘さんが運転中に事故で急死した。友人がその経営者から話を聞いたのは多分1ヶ月以上あとの事。悲しみの中で、娘さんの遺品を整理していたら、クローゼットの中に、目立たない様に洋服を上に載せた紙袋の中に、その写真は有ったそうである。付き合っている彼氏がいるのも知らず、仮に結婚を望む相手が居るなら、娘の望みは叶えてやりたい、反対はしない、とかねてより心に決めていたそうだ。何故だ。なぜ隠して…。とやりきれない思いを友人に吐露したそうだ。 更に悲しいのは写真の中で、娘の横に立つ人物が全く見知らぬ男である。 本来であれば、華やかな祝いの場で目にするはずだった、娘の晴れ姿を、この様な形で目にした辛さは想像し難い。これもまた痛い話。