4月、新入社員を迎えた会社において、
様々な研修会が開催される。
そこではこのように言われることがある。
「考え方を変えないと成果はでない。」
「意識を変えないと成果はでない。」
研修に参加した新入社員は、
頭では理解できても、
それを行動に移すことはほとんどない。
ほとんどないというか、できない。
そもそも今までの考え方や意識を改めるには、
かなりの勇気を必要とする。
本質的に人間は変化を嫌うものだ。
大きな失敗などを経験することでようやく理解し、
考え方や意識を改める。
人は経験によってしか学ぶことはできない。
新入社員といえども、
大人であり、
大人の学びには特徴がある。
大人は、すでにさまざまな知識・経験・価値観を持っている。
そして、自分の価値観にそぐわない知識、
意味を感じない知識は受け入れない。
仮に受け入れる場合も、それまでの知識に付け足したり、
一部を交換する形をとる。
まったく新しい知識が形成されるのではなく、
もともとの知識が変容する学び方をする。
だから人は経験からしか学べない。
したがって、会社で、
「考え方を変えろ!」
「意識を変えろ!」
という上司があなたの身の回りにいたら、
それは上司のマネジメントに問題があるのだ。
また、上司は部下の考え方や意識の持ち方など気にしてはいけない。
上司がやるべきは、部下に成果をあげさせること。
人は経験からしか学べない。
部下に成果があがるような関わり方をすると、
部下は上司の考え方に同調するのだ。
「考え方を変えたから、意識を変えたから成果が出ました!」ではなく、「成果が出たので、考え方を、意識を改めました!」なのだ。
もちろん、部下もまた、
上司の考え方を理由にした言い訳をしてはいけない。
上司の考え方がどうであれ、成果をあげるのは自分自身の責任。
上司の考え方に我慢ならない時もあるだろう。
本当に難しい問題ですよ。
仕事は選べても、上司は選べない。
人は経験によってしか学ぶことはできない。
この難しい問題を経験することによって何を学ぶのか。
一緒に働くことで、お互いが不幸なると学ぶかもしれない。
一緒に働くという結論をだすならば、
「相手の考え方が自分と違う」ことを言い訳にせず、
仕事の成果をあげるべく、
考え方だけではなく、
具体的に自分の行動分析に焦点を当てる必要がある、
と学ぶかもしれない。
いずれにおいても、
4月~5月は、新入社員において悩み多い時期です。