昇進・昇格ということで4月から管理職となる方もいらっしゃるでしょう。
管理職になることは一種の「転職」だから、今までとは別のことが求められる。
では、具体的になにが求められるのか。
一言で言えばそれは「部署の成果」をあげること。
そして、一般的に管理職になると、下の3種のどれかとなる。
①自分で全部やってしまう
②部下を恐怖で動かそうとする
③部下に主体的に動いてもらおうとする
やってはいけないのは①
これは今までやっていることと何も変わらない。
むしろ忙しくなるし、部下は育たない。
そして、「手柄は全て上司」という最悪のパターンで、
早晩、管理職失格の烙印を押されるか、自分が過労で潰れてしまう。
多いのは②
人事評価や叱責、懲罰をチラつかせ、恐怖で部下を支配する。
だが、恐怖で動く人は疲弊するので離職率は高まり、成果が出たとしてもそれなりである。部下には嫌われ、部下は本音をしゃべらないので、
いつも何らかのトラブルが発生するのもこのパターン。
そして③
③を成功させるカギは、「人柄」、「人望」、「徳」というか、「あり方」にある。「あり方」がある管理職は、彼のために人が働く。
そのようなマネジメントは時代、社会の変化にも対応しやすく、部下も疲弊することも少なく、部署の成果も高い。
だが「あり方」とはなんだろうか。
抽象的すぎて掴みどころがない…。
「あり方」のような再現性のないものに頼れないと、思う人もいるだろう。しかし、その本質は非常にシンプルだ。
「あり方」の本質は、上司が部下に「関心」を持つこと。
「あり方」のある人物は、部下に対する「関心」をコントロールしている。そのことによって部下の心が動くのだ。
心が動くから、
行動する、
働くのだ。
今でも憶えていることがある。
人事考課を終えた社員が、面談室から出てくるなり、
「あいつ(上司のこと)数字しか見ていない!」
不満そうな顔をしていたことを。
彼は、数値の裏にある、
自分の頑張りを見て欲しかった。
人事考課の評価は高いのである。
高評価なのに、彼は不満なのである。
そして、彼は徐々にやる気をなくしていった。
これは、親と子どもの関係にも見て取れる。
『フロー体験 喜びの現象学』の著者であるミハイ・チクセントミハイ氏は、子どもにとって最も重要なことの一つは「両親の関心」と述べる。
子どもが期待に添えないことで両親から失望されたり叱られたりすることは子どもにとって、成長の過程として必要だ。それが社会の縮図である。だが両親が「子どもへの関心を失なってしまうこと」は子どもにとって致命的な出来事だ。
上司と部下の関係も同じだ。「失望」や「叱責」は問題ない。が「無関心」は致命的だ。
仕事を全部自分でやってしまう上司も、恐怖で部下を支配する上司も、本質的に部下に興味がない。興味の対象は業績と自分だけである。
「あり方」に基づくマネジメントの本質は「部下の一人ひとりに関心があるか」に尽きる。
逆に人に関心のない上司は、いくら仕事ができても、部下に主体的に動いてもらうことはできない。
・部下の報告に彼らの心の動きを読み取れるか
・部下がなぜ働くか理解しているか
・部下の主要な価値観を知っているか
そんなことに興味があるかどうかが、上司には問われている。
部下を動かすのは、テクニックではない。
本質的に人に興味のない上司は、表面をなぞるマネジメントは出来ても、人を惹きつけることができない。
大切なのは、
『相手に関心を持つ、相手の関心ごとに自分の関心を寄せる』
これだけだ。