今回のお話は、

 

 

 

 

このお話の続きです。

職場って、

『自分の子ども時代に形づくられた行動と家族との関係性によって、潜在意識に働きかける期待が生み出され、知らない人を含めた他人にそれを無意識的に投影する。』

これによって争いが起きる。

人間関係のこじれも同様…。

ゆえに、職場の管理者は自分の業務時間の多くを費やして社員の個人的争いに対応しています。

職場の業績が悪い時は、特に争い、人間関係がこじれて、管理者は人間関係の調整に時間を費やしてしまう。

このようなことを書いていると思い出すことがある。

もうかなり昔のことであるが、私は、営業主任をしていたことがあります。
部下に優秀で、これからが期待できる社員がいました。

営業所では、トイレ掃除を当番制でやっていました。
もちろん私も率先してやっていました。
その社員は、業績を上げ、とても忙しく仕事をしていて、
「俺は、業績を上げているからトイレ掃除をしなくてもいい。」
そのような仕事ぶりだったので、
その社員がこれから、人を指導していく上で、
その考えは、
将来的に自分の首を絞めることになる。
そう感じた私は、
忙しくてもトイレ掃除をするように指導していた。

すると別の優秀な社員が、
「主任は厳しすぎる!」と、
激しく抗議してきた…。

私は、自分の考えで指導していたので、
特に、取り合わなかったのですが、
その抗議してきた社員は、
我慢できず、
当時の営業所長に直談判する。

営業所長は、私を呼び、
「一体何がどうしたんだよ…。」
私は事の顛末を話し、
あの社員は納得していないから、
今度3人で話そう。

そういうことになり。
3人で話をする場を設けた。

すると、抗議してきた社員は、
「主任は厳しすぎる。あの人は頑張っている。その頑張りをなぜ理解しようとしないのですか!」
泣きながら訴えてくる。

そして、私はそのことについて、
頑張っていることを認めてますよ。
だからこそ、
その頑張りが将来に繋がるように、
当たり前のことを
当たり前にすることを望んでいるんです。
彼ならできると信じているからです。

すると、
抗議してきた社員は、
「えっ!」という表情とともに、
「そうだったんですか!」と、
笑顔を見せた。

有難いことに、
一緒に話を聴いていてくれた所長は、
一言も発することはなかった。

そして最後に、
「じゃ、この話はこれで大丈夫やね。」
と言って、
その場を締めくくった。

その抗議してきた社員とは、
もちろんその後、
仲良くもなったし、
今でも尊敬している。

厳しい経済状況、リモートワークをはじめとするコミュニケーションから人間らしさを無くすテクノロジー、そして価値観の違う社員の出現などはすべて、職場のネガティブな感情や対立を増やす原因です。しかし、突き詰めると、職場の争いの本質は、幼少期の育ちの中で身に着く行動パターンや心理的影響だと思うのです。

『仕事に持ち込んではいけない行動パターン』という本によると、
職場の争いの本質である、幼少期の育ちの中で身に着く行動パターンや心理的影響は、13のパターンに分類されると言われています。

自分がその13のパターンのどのパターンの影響が強いのか。
また、どのようなパターンを組み合わせて仕事をしているのか…。
それを知ることが争いごとや人間関係のこじれを防ぐことになる。

13のパターンは、この後ご紹介させていただきますが、
今回お話しさせていただいたエピソードの登場人物、

①営業所長
②抗議してきた社員
③営業主任である私

この3人がどのパターンに属するのか。
どのパターンを持ち合わせているのか。
よろしければ考えてみてください。

そして、ほとんどの人が、次に記す13のパターン1つ以上持っています。それらのパターンのうちどの傾向を自分が持っているのか認識することは、自分自身を知り、自分自身と自分の職場に変化をもたらすことになると思うのです。

 1.やり手
 このタイプの人は成功だけが重要で、何にも自分の道を邪魔させません。彼らは自分達を過大評価し、同僚のことはほとんど気にしません。誰も信用せず、優位な立場に立つために相手を威嚇するため、非友好的な職場環境を生み出します。

 2.反抗者
 このタイプの人は善のある戦いを好みます。権力を激しく非難し、方針や規制を我慢することがほとんどできません。彼らは変化を求めているかのように行動しますが、自分達が取り組む問題や目的を理解していません。また、同僚を争いに巻き込むことを楽しみますが、一般的に、長い期間に渡ってキャリアの見通しは悪くなります。

 3.ぐずぐずした人
 このタイプの人は、良かれと思って物事を始めますが、約束を果たすことができません。また、心から喜んで業務を引き受けますが、常に締め切りを守れず、その上自分には責任がないかのように振舞います。そして、心配性で、自分が正しい決断を下したのかどうか不安に思っています。

 4.道化師
 ユーモアのセンスがあることは悪いことではありませんが、職場の道化師はやり過ぎてしまいます。しょっちゅう下品で相手を不快にさせるジョークを言ったり、軽口を叩いて自分の弱さを守ったりしようとします。また、緊迫した状況を和らげようとしますが、多くの場合その行為によってコミュニケーションは断絶してしまいます。

 5.いじめっ子
 学校のいじめっ子と同じように、職場のいじめっ子も威嚇や嫌がらせをすることで相手を支配しようとします。彼らはひどい言葉や態度で相手の自尊心を傷つけます。さらに、上司を悩ませることで対立する状態が生まれ、それによって個人が傷つき、チームワークという概念が壊されてしまいます。

 6.被害者
 被害者は心配性で怖がりです。常に不満を口にし、自分の能力を疑問視される恐れのある状況を避ける傾向にあります。ネガティブな考えに浸り、変われるチャンスに気が付けず、上司の厳しい目を恐れています。

 7.救助隊
 このタイプの人は、自分の欠点を分析されないように、他の人を助けます。ヒーローを演じて称賛を得ることに生きがいを感じています。あらゆる問題の要因に自ら近づいて行きますが、誰からも助けを必要とされなくなると、非友好的になります。

 8.ドラマのヒロイン/ヒーロー
 このタイプの人は、何よりも危機的状況が生まれると元気になります。彼らは感情の大きな揺れに酔いしれ、彼らの芝居じみた仕草は周りの人を楽しませてくれます。一般的に頭がよく機知に富んでいます。しかし多くの場合、注目されたいという願望が、彼らの能力を殺してしまいます。

 9.受難者
 何かやらなければならないことがあれば、受難者が役に立ってくれます。受難者は職場で頼りになる存在になろうと努力し、皆の問題を聞き、解決策を見つけてくれます。感謝されなくても構わないという態度を取りますが、給与が低かったり正しく評価されなかったりすると必ず異議を申し立てます。

 10.八方美人
 八方美人にとって、衝突や論争は最大の敵です。彼らは必死に周りに溶け込みたいと思っており、認められないことを非常に恐れています。また、何をするべきか具体的に指示を出す管理の細かい上司の下で働くことに心地よさを覚えます。さらに、強い態度を取ったり、自分の意見を主張したりすることはほとんどありません。

 11.回避主義者
 物事が厳しくなると、このタイプの人は回避します。例え自分に責任があっても、問題に取り組むことをしません。彼らは一般的に控えめな性格をしていますが、不満がある時は受動攻撃的な態度を取ります。

 12.否定論者
 このタイプの人は問題などないファンタジーの世界に暮らしています。つらい反省をしなければならなくなるため、事実を無視します。また、物事が外側から見てどう見えるかを一番心配しています。

 13.引き裂く人
 このタイプの人は職場で特に害があります。なぜなら、彼らは目立たないように行動し、漁夫の利を得ることを楽しんでいるからです。彼らは不安感と無力感に動かされ、他人に秘密を打ち明けます。そして、気付かない内に、秘密を打ち明けた相手とその仲間を競わせようとします。
 
自分の身の回りの人が、ここにある13のパターンのどれに当たるのか分析することによって、自分がトラブルに巻き込まれた時、どのようにその解決をしたらよいかということが理解できるかもしれません。