「あなたは自分の伸ばしたいその能力を向上させるために、日々どんな練習をしていますか?」
●能力の向上に本当に必要なことは何か?
スポーツの世界でも、音楽の世界でも、練習しなければ能力が身につくことはありません。 それは、仕事で発揮される様々な能力も同じであるはずです。
しかし、私たち現代人は忙しい毎日を過ごしています。 新しいことを次から次へと覚え、沢山のことをこなし、そして失敗を最小限に抑えて実践することが求められています。
それゆえ、とかく仕事の場では、「実践で経験を積む」ことが能力を向上させる現実的、かつ一番の近道だと思いがちです。
私たちの練習の時間には、2つの領域があります。
ひとつは、「学習領域」、
もう一つは、「パフォーマンス領域」です。
「学習領域」とは、「上達」を目的とし、計画された行動を行います。失敗が許される環境のなかで学び、そして新しい能力を身につけていきます。
一方、「パフォーマンス領域」は、 可能な限りベストを尽くして物事を実践する時間です。(スポーツでいう公式戦です。)そのため、すでに身につけている能力を最大限使って、失敗は最小限にとどめようとします。
つまり、「パフォーマンス領域」では現在のパフォーマンスを、「学習領域」では成長や未来のパフォーマンスを最大化します。
「実践で経験を積む」ことで失敗から学ぶこともあるでしょうが、実はこれは「パフォーマンス領域」に該当し、必ずしも未来にむけた能力向上への「近道」ではないのです。
私たちの多くが一生懸命やってもそんなに上達しないのは、「パフォーマンス領域」に大半の時間を費やすからです。これが成長を妨げ、皮肉にも長期的には伸び悩む原因を作りだしているのです。
●質の良い練習とは?
「学習領域」とは、つまり「練習をすること」です。では能力を向上させるためには、どんな練習をするのが効果的なのでしょうか。
それを理解するためには、まず「能力向上」とは何が起きることなのかを理解する必要があります。「能力向上」とは、脳の中に、能力が発揮されるために必要な神経回路を作り、それがスムーズに機能するように強化することです。
では、そのそうな神経回路を作りだし、強化するためにはどんな練習が効果的なのでしょうか?
【①能力の限界近くで練習する】
能力の限界近くで練習すると、何度もミスが発生します。脳の神経回路では、ミスが認識され、修正されます。このプロセスを通じて正しい神経回路が作られていきます。
【②時間よりも繰り返し練習する】
大事なのは練習時間ではなく、繰り返した回数になります。繰り返されるたびに、脳はミリエンという新しい層を特定の神経回路の周辺に追加します。絶縁体の性質を持つミリエンが増えた神経回路は、信号の伝導速度が高速かつ正確になります。
【③スキルを細分化する】
身につけたい能力を最小の要素に細分化します。そして、その一つひとつを習得するまで練習し、それぞれの要素をつなげていきます。プレゼンテーション能力の場合、ロジカルに話を構成するスキル、伝えたいことを明確にするスキル、相手に合わせた話し方をするスキル、聞きやすい声で話すスキル、緊張しないで話すスキルなど、まだまだあるでしょう。これら一つひとつを練習の対象にします。
【④毎日、少しずつ練習する】
5分間の短い時間でも、毎日の練習が脳の成長を促進します。時々練習する程度だと、脳は遅れを取り戻すことに終始し、成長を促すことに繋がりません。
【⑤迅速なフィードバックを得る】
間違ったことを繰り返しても練習にはなりません。うまく出来ているのか否かを知り、必要な修正をすることが大切です。フィードバックが迅速であればあるほど、記憶に残りやすくなります。
あなたが向上させたい能力は何ですか?
そのために、どんな練習をしますか?
それを、いつやりますか?
そして、それを何回しますか?