組織のリーダー(管理職)は、
自分の手足の如く部下を使うのではなく、
部下の能力を最大限引き出し、
今いる人材で組織の相乗効果(シナジー)を生み出し、
人数分以上の付加価値を生み出し、
成果を出すために存在する。
ある程度大きくなった組織では、
組織の成果が出なくなった時、
業績が低下した時に、
すぐに人事異動で人を入れ替える。
これが定着してくると、
半年ごとに人事異動が発令される。
早いときには3ヶ月もすると人事異動が発令される。
半年ごとに人事辞令が発令されると、
最初の1ヶ月は、引継ぎと噂話、
残りの1ヶ月も、引継ぎと噂話、
実際、半年のうち、
4ヶ月しかまともに仕事をしていないことになる。
本当に成果を出している組織のリーダーは、
どのような存在でしょうか?
失敗を叱責し、
責任を取ろうとしないリーダーに誰がついていくのでしょうか?
部下のモチベーションが落ち、組織に対する帰属意識が低下する。
これには理由があります。
眼の前のリーダーが尊敬できない、
あるいは求心力の中心にいないからです。
完璧な人間などいません。
人間として不完全であることを認め、
まず、リーダーとして成長しようと精進し、
部下の成長のために全力を尽くす。
今、持っているものが何かではなく、
その姿勢が部下を引きつけ求心力となるのです。
その覚悟と弛まぬ努力なくして真のリーダーは生まれません。
そして、その努力がお金では買えない人間としての成長を生むのです。
一見無駄だと思われるような、
細かいことに対する手当てと、
その時々の学習の確認、
共有の積み重ねであり、「急がば回れ」 的ではありますが、
関わる人の本質を大切にする姿勢。
絶対に上手くいく方法はないが、
より理想に近づく態度や取り組む姿勢はある。
ということです。
それなのに、なんの覚悟もせずに、
業績低下の理由を部下のせいにして、
人事異動ばかり行なう組織のリーダーに、
部下をひきつける求心力が生まれるのでしょうか?
あるリーダーが興味深いこと言っていた。
「皆さん、残念ながら、私と一緒に仕事をする人は2年間、人事異動はありません。」
みんなは「え~!?」と思ったそうです。
そして、そのリーダーは続けてこう言いました。
「今いるメンバーで成長し、成果を出したいからです。そして、10年後、あの時のメンバーが最高だったねと思える仕事がしたいのです。」
みんなは「お~!」と思ったそうです。
組織は人間を成長させるための場所と言えます。
組織での最大の報酬は人間としての成長そのものなのです。
そしてそのために重要なことは、実務的な能力以上に部下を引き付けるリーダーの人格と人格を反映した表現(行動、言動など)です。
リーダーは組織の求心力の中心にいなければなりません。
それは実務的な拠り所であり精神的な拠り所となります。
これが「真のリーダーのあり方」だと思う。
リーダーのあり方が、組織の成果を決定する。
私、日頃は、個人の「あり方」について語っているのですが、
たまに、組織やリーダーの「あり方」についてお話ししたくなるのです。
「あり方」って、個人、他者、社会と、3つのあり方があるからです。
この3つのバランスが大切。
この3つの視点で考えるからこそ、自分の「あり方」がより明確になる。
そのように考えています。