いかにうまく説明をするのか。
しかし、うまく説明をするためには、
まず、相手との関係性を構築する必要があり、
そのためには、
実は、話す力よりも聴く力の方がはるかに大切なのです。
相手の話を聴くことで、はじめて、相手の人となりや、
考え方がわかるからです。
人は、理解してくれた人に、ついていきたいのです。
人は、自分を理解してくれた人を信頼する。
だから、聴く力を磨くことこそが、人との関係性をよくするのです。
「10秒黙って、相手の言葉を待つことができるか。」
相手は、考えがなく言葉でないのではない、
自分が話す言葉をチョイスしているのだ。
だから、10秒待てずに、
相手に意見を求めると、
自分の本心の言葉ではなく、
意見を求めている人の気に入る言葉を言っているにすぎない。
答えを当てにいっているのだ。
その言葉は、相手が言った言葉をコピーしているだけなんだけど、
言われた本人は、自分の言った言葉だから、
「私と同じことを考えているんだな。」と勝手に親近感を持つ。
だけど、
その時点ですでに二人の関係性はズレている。
やはり、自分の話を聴いてくれる人と、人は一緒にいたい。
こういうことを書いていたら、
思い出すことがある。
以前、事業所の責任者をしていた時、
とにかく、私は、社員の話を聴いていた。
「仕事のことはいいから、最近どうなの?」
最初は、みんなあっけにとられ、
「別に」、とか、「特にないです。」と言っていましたが、
次第にいろんなことを話しはじめた。
離婚の話や、親との関係、
自分の息子が自殺未遂をした話…。
無駄なことをしている、
生産性のないことをしている。
そんなことをしているくらいなら、
会議をして数値の進捗確認をして、
来週の打ち手を考えたほうがいい。
なんて指摘もあるだろう。
しかし、業績は上がるのだ。
むしろ、会議の回数は減った。
会議をしなくても、
立ち話程度の打ち合わせで、
やることは決まるのだ。
日常の声かけの質も短い言葉でいいのだ。
自殺未遂をした息子を抱えている社員には、
「最近、息子どう?」
「そうなんだ、だったら、今日は、残業しないで早く帰ってください。」
「いやいや、やるべきことをして帰ります。」
たったこれだけでいいのだ。
聴く力がいかに大切か。
人が深い悩みを抱えた時に、自分に話してもらえるかどうか。
信頼していない人に、人が心から悩みを打ち明けることはありません。
よくあるのが、
組織や会社で業績が低迷すると、
責任者は、
「なんでもいいから、困っていることがあったら言ってよ!」
「なんでもいいから!」
信頼していない人には、人は正直に思いを語らないのです。
「特にありません。」(このゴールデンフレーズしか言わないのです。)
それでは、本当にないのか?
ゴールデンフレーズを翻訳すると、
「特に、あなたには、言いたくありません。」
となるのです。
組織や会社において大切なことは、
人間関係で、
その基本は信頼。
そして、信頼を育むために必要なのは、
相手の話を聴くこと。
聴く力を磨くこと。
まず聴くことからはじまるのだ。
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