誰にも迷惑をかけず、一人でなんでもこなす。
20年以上前、このような信念で仕事をこなしていた。
本当に頑張っていた。それなりに成果もおさめた。
しかし、心が安らぐことはなかった。
今、思い出せば、いつも誰かを責めていた。
誰にも迷惑をかけず、一人でなんでもこなす。
20年も経ってわかった、この信念を持っている限り、幸せになれない。
仕事ができて、きれっきれ、切れ者になっても幸せになれない。
まわりからの、協力や援助、支援が得られないのだ。
最近思うのは、自分に無理なくできることは、惜しみなく分け与えること。
そして、自分にできないことは、胸を張って、援助や支援を遠慮なく受け入れる。
完璧な人間なんていない。
補い合って生きていくのだ。
私たちは、生まれてから6,000回くらいオムツを替えてもらうそうだ。
この時点で、
『誰にも迷惑をかけず、一人でなんでもこなす。』
なんてことは成立しないのだ。
むしろ、私たちの人生は、
『誰にも迷惑をかけず、一人でなんでもこなす。』
ことができないように仕組まれているのだろう。
先日、誤嚥性肺炎で入院した義理の父のお見舞いに行った。
その時、手を握られ「迷惑をかけて申し訳ない。」と言われた。
この瞬間、
『誰にも迷惑をかけず、一人でなんでもこなす。』
この信念は間違っている。
『完璧な人間なんていない、補い合って生きていくのだ。』
『自分にできないことは、胸を張って、援助や支援を遠慮なく受け入れるのだ。』
と思った。
そして、走馬灯のように自分の人生を振り返った。
人生は、順送り。
自分にできることは、惜しみなく分け与え、できないことは、遠慮なく受け入れる。
『誰にも迷惑をかけず、一人でなんでもこなす。』
この信念はもう必要ない。