よく比喩で使われるのですが、鷹というのは、空を飛んでいるから客観的に世界を見渡すことができます。

一方の蟻は、目の前の障害物を乗り越え、一歩一歩進んでいきます。

鷹は全体を見渡せますが、目の前の障害物を乗り越えるという感覚がわかりません。

蟻は一歩一歩を着実に進みますが、自分の行く先に何があるのか見えません。


足元ばかり見ていると、周りが見えなくなります。

周りばかり見ていると、足元がおそろかになります。

高さを変えて考えてみる。

立場を変えて考えてみる。

大事なのは、この使い分けです。

気づかいとは「鷹の目」と「蟻の目」の両方を使い相手を思いやることです。

仕事において、営業目標を達成できなかった時に

「鷹の目」の視点で「経営を守るために営業目標は必達です。」と部下に説教をしても部下には響きません。

なぜなら、部下は「蟻の目」の視点で営業目標を達成できなかったことを考えているからです。

「体調が良くなかった。」「雨ばかりで営業がやりにくかった。」「競合の影響を受けた。」

現場には、様々な障害があるのです。

まずは、部下の「蟻の目」の視点に共感しつつ、その先を一緒に考えるスタンスが大切。

それが、気づかい。

「鷹の目」と「蟻の目」の両方を使い相手を思いやることです。


一方、政治の世界でありがちなのは、国民のくらしの課題を「鷹の目」の視点ばかりで考えて、何の実効性のない政策を考えること。

ふわっとした「雲の上の話」ばかりで、国民には何の恩恵もない政策が山ほどある。

言いすぎかもしれないが「鷹の目」と「蟻の目」のバランス感覚「0」。

私「政策を考える人」、そして政策を実行する人たちは「別の人」。最後に政策の恩恵を受ける人は「全く別の人」。

ここまでくると「鷹の目」、「蟻の目」、「魚の目」となる。

魚からは、鷹は全く見えない。

魚は、鷹から食べられるだけかもしれない。


個人においても、会社や組織においても、国においても目的に向かい、「鷹の目」、「蟻の目」、「魚の目」のバランスと使い分けが大切。

物事を多面的に捉えることが何より大切。