『幸福の習慣』トム・ラス ジム・ハ-ター 著  森川里美 訳

この本の中に「職場の人間関係は、仕事のやる気と成果を高める」と書いてある。

仕事に熱意を失う危険性が最も高いのは「自分の上司は、部下である自分に全く関心を持っていない」と感じている人である。


組織力を向上させて、成果を導き出したいなら、やることは、ただ一つ。「一人ひとりに興味を持って話を聞くだけ。」である。


業績が上がらない、営業数値が悪い。何故なんだ!できない理由ばかりを質問していると部下は、できない理由を星の数より多く考える。だから、成果が出てこなくなる。


仕事が終わった部下に「今日、どうだった?何に感動した?なんか良い話はない?」と毎日聞くのである。

最初は「私、何かやらかしました?」とか「今日は、成果無しです。」はたまた、声をかけただけで「すみません。」と謝られることもある。

そんなことはどうでもいい。数値なんかも一旦脇に置いて「あなたは、今日どんなことを考えて何を感じたの?」「教えて!」「聞かせて!」これを繰り返すのだ。


最初は、変なことをする人だなと思われる。しかし、真剣に毎日続けていると部下も根負けして、いろいろ話をしてくるものだ。そうこうしているうちに、3ヶ月もすると変化が表れてくる。


普通の人は、変化が表れる前にやめてしまう。


よく考えると、成果を導き出す手段として話を聞いていると失敗する。話を聞くこと自体が目的でないといけない。
相手を知りたいのだ。相手を一人の人間として尊重して、興味を持つ。

これだけなんだ。

それほど、現在の会社は、人を人として扱っていない。「あなたの代わりは、人事辞令でいくらでもご用意できます。」なんてことを無意識にやっている組織は、早晩自滅するだろう。