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偽Librarianの苦悩

大学図書館に勤務する偽ライブラリアン(司書免許なし)が日々の仕事で感じたことや毎日の生活のできごとを綴ります。

5月16日付けの「日本教育新聞」の1面で、馳(はせ)文科相 「ゆとり」から決別宣言、という記事が掲載されていました。記事によると「『ゆとり教育』か『詰め込み教育』かといった二項対立的な議論には戻らない。知識と思考力の双方をバランスよく確実に育むという基本を踏襲し、学習内容の削減は行わない」とのことです。


ゆとり教育に至った経緯は複雑ですが、大雑把にいうと高度経済成長のもと、社会を支える人材の育成のために「能力主義」の教育政策がとられていました。そのことにより勉強についていけない子どもが多数出てきたり、校内暴力、登校拒否、いじめなどが学校現場に現れ大きな社会問題になりました。
これらの背景にはゆとりのなさや社会性の不足、自立の遅れがあると指摘されました。そのため「生きる力」の育成に力を入れるため、「ゆとり」重視の学習指導要領が導入されたのです。
「ゆとり教育」では、知識重視型の詰め込み教育から学習時間と内容を減らし、勉強についていけない子どもが出にくい必要最低限の内容へ移行しました。
そして1992年9月から公立小中学校及び高等学校の多くで毎月第2土曜日が休みになり、1995年4月からは第2土曜日と第4土曜日も休みに、そして2002年4月から毎週土曜日が休みとなり完全な週5日制となりました。


しかし「ゆとり教育」により、学力低下の増大という結果を生み出しました。問題なのは単なる知識量の低下ではなく、表現力の低下、学習意欲の喪失、思考の放棄といった教育の根幹に関わる低下なのです。
特に理数系科目の学力低下の度合いは、他の教科より著しい影響を受けているという研究報告もあります。


今回、馳(はせ)文部科学大臣のメッセージでは、子どもたちの未来のために、「次世代の学校」を創出し、教育の強靱化を必ず実現すると強調しています。論点整理では以下のことが挙げられています。
①学校教育を通じて育む資質・能力(知識、技能、思考力、判断力、表現力、人間性)と各教科を学ぶ意議を明確化にする。
②資質・能力を育む教育課程の実現に向けた「カリキュラムマネジメント」の充実。
③資質・能力の育成に向けた「アクティブラーニング」の視点からの授業改善
などです。
今後のスケジュールでは今年の夏に「審議のまとめ」を行い、年内に答申、その後に学習指導要領の全面改定が進められます。
そして、小学校では2020年から、中学校では2021年から全面実施、高校からは2022年から年次進行により実施される予定です。

具体的にどのような学習指導要領になるのか、注意深く見守っていきたいと思います。