昨日と同じく5月16日付けの「日本教育新聞」で、不登校児童生徒に関する記事が掲載されていました。タイトルは「学校以外の学習環境整備 不登校支援で法案提出へ」というものです。
超党派議員連盟が作成した「教育機会確保法案」では、不登校の児童・生徒の学習環境を整えるため、特例校や適応指導教室を想定した公立施設の充実に努めるということが柱です。
また、学校を休養(欠席)する必要性を認め、フリースクールなど学校以外の場で学ぶ子どもや保護者に対して必要な支援を行うとしています。
これまで不登校児童・生徒の支援として、平成5年(1993)3月に「登校拒否児童生徒が学校外の公的機関等に通所する場合の通学定期乗車券制度の適用について」文部科学省より通知が出され、保護者の交通費負担軽減措置がとられています。しかしこれはあくまでも不登校児童・生徒の「学校復帰」を目指すことを前提にしたものでした。
それが今回の法案では学校復帰を前提にせず、「学校を休むことの必要性」を認めている意味が大きいと、NPO法人「フリースクール全国ネットワーク」の奥地圭子代表理事は述べています。
不登校は今や大きな社会問題になっていますが、 平成4年(1992)9月に文部省は「登校拒否問題への対応について」で述べているように「登校拒否は誰にでも起こりうる」ことです。
文部省が行った調査では不登校になったきっかけと考えられる状況は、小学校・中学校とも本人に関する状況が一番です。それ以外にも不安などの情緒的混乱、無気力、親子関係をめぐる問題、友人関係をめぐる問題、家庭環境の急激な変化、学業不振、遊び・非行などが挙げられています。
これらの中で「本人に関する状況」と「不安などの情緒的混乱」の原因の一つが、学校への不適応ではないかと思うのです。つまり成績や人格評価(よい子)といった側面で学校は児童・生徒を評価し、また自分もそのように振る舞っていたのが、何らかの影響でバランスが崩れ、成績や人格評価では自分の存在意義が見いだせなくなったのではないかと思うのです。特に「手がかからない子」「よい子」と言われていた子どもたちが一度バランスを崩すと、親も子どもも「社会から落ちこぼれる」という意識が強く働き、絶望の淵に立たされることになります。
一度、心が傾くと「学校に行かないとならない」という思いとは裏腹に学校へ行けなくなります。
登校拒否の一つの原因として、成績や人格評価といった側面で推し量る学校のシステムと、多様な価値基準で評価してほしいと願う子どもとのギャップではないかと思うのです。
今回の超党派義委員連盟が出した法案では、「フリースクールでの学習も就業義務を果たしたと見なす」という事は盛り込まれませんでした。しかし、法案の骨子に「休養(欠席)の必要性を踏まえ、フリースクールなどの情報を提供する」ということがあるように、今後一層フリースクールの存在意義が強くなるものと思います。
多様な子どもを受け入れるフリースクールの拡充と環境改善につながればと願っています。