風がざわさわとざわめく。
木を左右にゆさゆさ、揺れる。
音が、風の音が怖い。
ビューーーー
って怖いよ。
外に出たら飛ばされそう。
日中は晴れていたんだけど。
夜は特に怖いよ。
真っ暗で見えないのに風の音だけが耳に響く。
聞こえないように耳を塞いでも聞こえる。
何で?
怖いよ。
ソファで座って風の音を聞こえないように耳を塞いでいると
八戒が声をかけてくれた。
「可音、どうしました?」
「風の音が怖いの。聞こえないように耳を塞ぐんだけどね、耳に残って怖いの。」
「怖い音ですよね?」
八戒が頭を撫でてくれた。
風の音、怖いけどちょっと安心したかな?
「可音、風の音が怖いのか?俺は怖くないぞ。」
悟空が寄ってきた。
「悟空は怖いもの、なさそう~。」
「食べ物も無いぞ。」
「あははっ そうですね。悟空は嫌いな食べ物は無いですね。」
誰かと楽しく話していると・・・
風の音が聞こえなくなる気がする。
同じ風の音なのに今は小さくしか聞こえない。
風が止むまで誰かと話していたい・・・
でも 遅い時間だから・・・みんな寝ちゃうのかな??
一人でいたらこの風の音で眠れないよね??
風の音が聞こえないようにいっぱいいっぱい話した。
「俺、眠いからそろそろ寝ようかな?おやすみ。」
「悟空、おやすみ。またね。」
「おやすみなさい。悟空。」
「悟空、寝るのか?オヤスミ。」
悟浄が悟空の頭を撫でた。
三蔵は部屋に行ったみたい。
寝たのかな??
「可音は眠くならないのですか?」
八戒が覗き込んできた。
「ん~?寝たいんだけど・・・風の音が怖くって寝れないかなぁ~。」
「風の音、怖いのか?」
「うん。怖い・・・一人じゃ寝れないよ。」
「俺、添い寝してやろうか?」
にやりと笑いながら悟浄が言う。
「へ?何で悟浄が・・・??添い寝??」
「一人で寝れないんだろ?」
「うううう?そうだけど・・・。風が止んだら寝れるよ。」
ビューーー
ガタガタガタ・・・・
「風??怖い・・・」
ブルって身震いをした。
「怖いですか?大丈夫ですよ。可音が寝付くまで一緒にいますよ。」
八戒が背中を優しく撫でてくれた。
「俺が添い寝してやるって言ったのに・・・。」
「悟浄の添い寝は嫌だよ。絶対に!!」
「そんなに拒絶しなくっても良いんじゃネェ?」
「悟浄、言い過ぎじゃありませんか?悟浄も可音が寝付くまで一緒にいてあげたら良いじゃないですか?」
「ん?そのつもりだけど・・・。」
「おや?可音 寝ちゃいましたか?」
可音が寝オチしていた。
「俺が可音を部屋まで連れてくよ。」
悟浄が可音を抱きかかえた。
「そうですか?貴方だけじゃ心配なので僕も着いて行きますね。」
「心配って何?」
「貴方の心配じゃなく可音の心配をしてるんですよ。僕は・・・。」
「俺って信用ネェの?」
「それはどうでしょうね?」
笑いを堪えながら八戒が言った。
「可音・・・本当に眠かったんだろうな。普通にしゃべっても起きやしねェ。」
「そうですね。可愛らしい寝息が聞こえますね。」
八戒と悟浄は可音の部屋に入りベットに寝せて布団をかけた。
「可音、おやすみ。」
「可音、おやすみなさい。」
部屋を出て行った。
☆☆☆
ビューーーービューーー
ガタガタガタ・・・・
ふと、夜中 風の音で目が覚めた。
なんでこんな時間に目が覚めるの??
2時??
寝れないよ。
風の音が耳から離れない。
リビングに誰かいるかな??
風の音に怯えながらリビングに向かう。
リビングから明かりが見えた。
誰かいるのかな?
こっそりリビングにのドアを開けた。
八戒と悟浄が起きていた。
「ん??可音どうした?」
最初に悟浄が私に気づいた。
「おや?可音、どうしたのですか?」
「ん??風の音で・・・」
「風の音に起こされてしまったんですか?可哀想に。」
八戒がドアの側まで来てくれて頭を撫でてくれた。
風の音は聞こえて怖いけど安心した。
八戒に触れられると安心してしまう。
「二人は何でまだ起きてるの?」
「もしかして可音が起きてくるかも知れねェから起きていた。」
にやりと悟浄が笑った。
いつもは何か下心ありそうな悟浄の笑いも今は安心する笑顔に見えた。
「そうですよ。可音がいつ起きてきても良い様に待機していました。
温かい飲み物でも淹れますね。」
「ありがとう。」
ん?私の為に起きていてくれたの??
今は胸がいっぱいで凄く嬉しかった。
さっきまで耳障りだった暴風が聞こえなくなった。
今、安心に包まれている気がしたからかな?