小田急線狛江駅。おそらく、俺の人生の航路において、一度も交わることのなかったはずの駅だ。
東京の片隅に位置するその小さな町で、俺は空腹を覚えた。まずは獲物を探すように、スマートフォンの画面をスクロールする。
――ふん、評価の高い店は皆無か。東京と言えど、これほどまでに不毛なエリアが存在するとはな。
だが、俺の野生の勘が、一軒の焼き鳥屋を弾き出した。
暖簾をくぐると、そこは地元という縄張りを守るロコ(常連)どもでひしめき合っていた。場違いな僕の登場に、一瞬空気が張り詰める。
差し出された肉を食らう。悪くない、いや、結構うまい。
だが、この夜の真の収穫は別にあった。
マスターが不敵な笑みを浮かべ、勧めてきた日本酒――「奥播磨」。
冷えた液体を喉に流し込んだ瞬間、強烈な衝撃が走った。
「……マジで、うまいな」
五臓六腑にしみわたるその圧倒的な旨味に、僕はただ、静かに酔いしれるしかなかった。
やきとり ミートステーション
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