次に私が足を向けたのは、『ラトリエ・デュ・パン』だった。
ここもまた、六本木では連日激しい混雑を極めることで知られる、もう一つの名店である。

しかし、この場所だけは、まるで時間の流れから切り離されたかのように静まり返っていた。行き交う人々の足取りは、まだこの空間の価値に気づいていないかのようにまばらだった。
私は誰に邪魔されることもなく、実になめらかな手際で、目当ての品を手に入れることができた。

本当の解決は、翌朝に訪れた。
目覚めの食卓で、手に入れたパンを口にする。
その瞬間、私の内にあった日常の輪郭が、静かに、しかし劇的に塗り替えられていくのを感じた。

ただ「美味しい」という言葉だけでは、この満ち足りた感覚を説明することはできない。
それは、ある種の完璧な幸福だった。

ラトリエ・デュ・パン 大井町トラックス店
03-6451-8139
東京都品川区広町2-1-17 大井町トラックス 2F
https://tabelog.com/tokyo/A1315/A131501/13318127/