金融セミナーという名の、現代のマネーゲームの戦術場に身を置いた。
己の知識など、まだ底の浅い水たまりに過ぎないことを痛感させられる。

宴(うたげ)の舞台は、この過酷な戦場を勝ち抜いた勝者が用意した、品川プリンスホテルの上層に位置するバーだ。息をのむような夜景を見下ろすその空間には、成功者の放つ特有の濃厚な気配が満ちていた。

そこからさらに、仲間たちと夜の深淵へと梯子を重ねる。
アルコールが容赦なく五感を麻痺させていく。

だが、私の脳裏を最も激しく揺さぶったのは、一つの怪物の存在だった。
私より遥かに若いその男は、すでに200億という巨万の富を築き上げ、7つの会社を立ち上げてはそのうち5つをバイアウト(売却)したという。

凄まじい、の一言に尽きる。
この冷酷な資本主義の荒野を生き抜くための、これ以上ない血肉となる教訓を、私はその夜、深く胸に刻み込んだ。