「国道134号線」――。
鎌倉の海岸線を、海を切り裂くように走るそのアスファルトは、いつ来ても男の心を昂ぶらせる。

その海側にひっそりと佇む、俺のお気に入りのカフェがある。

特等席に腰を下ろし、視線を水平線の彼方へと走らせる。そこには、夕闇に溶けゆく江の島と、威風堂々とそびえ立つ富士山の、完璧なる競演(コラボレーション)があった。自然が織りなすその圧倒的な構図は、息を呑むほどに美しい。

手にしたグラスから、苦味の効いたIPA(インディア・ペールエール)を喉へと流し込む。
冷徹なアルコールが身体を駆け巡るのを感じながら、ただ静かに海を眺める。これ以上ない、至高の時間がそこには流れていた。