「そば工房 篠」――。
偶然目にしたその店には、ただならぬ行列ができていた。引き寄せられるように、俺は暖簾をくぐる。
巷の「食べログ」などという薄っぺらな評価は、この際どうでもいい。現にこの行列が、何よりも確かな真実を物語っている。一口啜れば、合点がいった。――うまい。
開店直後の滑り込みに成功したのは幸運だった。案の定、一時間もしないうちに、あの強烈な香気を放つ「十割そば」は完全に売り切れとなり、戦場と化した店内を静かな熱気が包む。流石と言うほかない。
ふと立ち寄った化粧室は、今や旧式となった和式便器だった。しかし、隅々まで容赦なく磨き上げられたその清潔さは、この城を統べる店主の、職人としての冷徹なまでのこだわりと矜持を無言で主張していた。
そば工房 篠
0479-78-1147
千葉県山武郡芝山町大里1586-7
https://tabelog.com/chiba/A1204/A120403/12010261/

