清正の枕石へ。
海岸線を歩く。

想像していたより距離がある。
だが、不思議と足は止まらない。

波の音だけが続く。
その先に、静かに現れる石。

ただの岩ではない。
そこに残る名前と歴史が、この場所の空気を変えている。

なぜだろう。
時間の積み重ねというものは、人の感覚まで変えるらしい。

最後に向かったのは、帝井。
後醍醐天皇の皇子、義良親王のために掘られた井戸だという。

静かな場所だった。
派手さはない。

だが、その背景を知ると見え方が変わる。

この島には、ただ景色があるわけじゃない。
歴史そのものが、今も残っている。

——篠島の重み。

それを、少しだけ感じた気がした。