今年は、どこか時間の流れが速い。
気づけば季節が、例年よりも少し先を歩いている。
東京のつつじも例外ではない。
二週間ほど早く、開花が進んでいるという。
その確かめのように、根津神社へ向かった。
都内でも知られた名所だ。
境内に足を踏み入れる。
目に入ってきたのは、七分咲きのつつじ。
満開ではない。
だが、その“少し足りない”状態が、かえって景色に奥行きを与えているように見えた。
なぜだろう。
完璧に整ったものよりも、こうした余白のある光景のほうが、強く印象に残る。
人の流れ、色の重なり、静かなざわめき。
すべてが、今しかない一瞬を形づくっている。
この先、さらに色は深まっていく。
だが、この日の風景は、もう二度と同じ形では現れない。
——そう思ったとき、目の前の景色が、少しだけ特別なものに変わった。
