品川のいつもの店。
気づけば、また足が向いていた。

理由ははっきりしている。
魚だ。

席に着くと、余計な言葉は要らない。
ここでは、料理がすべてを語る。

運ばれてきた刺身。
見た目からして、違う。
鮮度が、そのまま表情に出ている。

ひと口。
やはり間違いない。

余計な主張はない。
ただ、素材そのものが静かに力を持っている。

そして、水なます。
これを頼まない理由がない。

さっぱりとしているのに、どこか記憶に残る味。
毎回食べているはずなのに、飽きる気配がない。

なぜ、ここまで通ってしまうのか。
考えるまでもない。

この店には、裏切らない何かがある。

——だからまた来る。