夜は亀戸へ。
向かったのは、いつものおさかなビストロ。
何度も足を運んでいる店だが、不思議と飽きることがない。
仲間との親睦会。
賑やかなはずなのに、この店ではどこか落ち着く。
理由ははっきりしないが、居心地がいい。
料理が運ばれてくる。
その中で、ふと手が止まった。
水タコの卵。
見慣れない一皿だ。
ひと口。
予想とは違う食感と旨味が、静かに広がる。
——これは、うまい。
さらに、その卵にかけられた鮎の魚醤。
強さの中に奥行きがあり、全体の輪郭を引き締めている。
なぜ、ここまで完成されているのか。
偶然ではない。
明確な意図が感じられる味だった。
会話は弾み、酒も進む。
時間の流れが、少しだけ早くなる。
気づけば、夜は深くなっていた。
楽しかった——
その一言で片付けるには、少し惜しい気もする。
だが、それ以上の言葉を探す必要もない。
この店にまた来れば、きっと答えは自然と見えてくる。

