住民税非課税世帯になりませんか | 老年科医の独り言

老年科医の独り言

認知症治療にかかわって30年目になります。
今回心機一転、題名を変更して、ぼつぼつ書いていきたいと思います。

親を住民税非課税世帯にするメリット。
1、 介護保険サービスの自己負担が減額になる場合が多い。自治体により多少違いがあるが、グループホームなど一部のサービスを除いて自己負担が半額程度になる。
2、 医療保険の限度額が低減される。入院の場合差が大きい。
3、 健康保険料・介護保険料の負担額が減額される
などメリットが大きい。

住民税非課税世帯になるためには、世帯を小さくすることである。親子では住所が同じでも別の世帯とすることができる。世帯分離をしても、同居(住民票の住所が同じと言うこと)していれば、税法上の扶養者になるので、安心して世帯分離をすることである。
これは、親と子供でそれぞれ世帯主として住民登録(いわゆる住民票)すればよいのである。これを世帯分離と言う(夫婦で別々にできるか否かは私にはわからないので、役所で確認を)。

親を別世帯として住民登録した後は、親の所得の申告が必要である。
所得税は、課税されなくとも住民税課税の場合があるので、条件に該当しても市町村に申告しないと住民税非課税世帯とは成らないので、申告は絶対に必要である。
このとき、介護保険認定を受け要介護1以上なら(自治体により2以上の場合があるようである)、介護度に応じて障害者控除や特別障害者控除を受ける事が出来る。この控除を受けるためには、介護保険証を持って、役所に行けば証明書を発行してもらえるので、それを添えて申告すれば良い。
親の年金等の所得が少なければ、この障害者控除や特別障害者控除を使用しなくとも、住民税非課税世帯になる場合があるので、役所で確認をする必要がある。

親の所得が少なくて、(特別)障害者控除を使う必要がなければ、子供世帯の所得控除に使用できる。子供世帯が、所得があり障害者控除を使用すると、所得税・住民税の払い過ぎが還付される。申告の有無で違ってくるが、修正申告は過去5年分出来るので、親が介護認定を受けていたら、(特別)障害者控除の証明書を交付してもらい、修正申告すると結構税金が戻ってくる場合がある。

親の世帯を、(特別)障害者控除を使って住民税非課税世帯にするか否かは、介護保険の利用料・医療費の減免額や、健康保険料・介護保険料の減免額の合計と、子供世帯の税金の還付額(所得税・住民税を合わせて)を比較して、有利な方を選ぶことができる。税金を納めている場合、この障害者控除額X税率分(納めた額が上限)が所得税・住民性それぞれで還付されるので馬鹿にならない。(控除額については、障害者に相当する方本人か扶養している場合かで、違うようであるので、役所で確認を)

この方法で、特別養護老人ホームや老人保健施設などの入居の場合は、自己負担が半額前後になるので馬鹿にならない節約となる。杉並区のある老健施設では、毎月の利用料は通常16万が、住民税非課税世帯になると8万円になるとのことであった。参考までに・・・。

この制度を知っているか否かで、経済的にかなり差が出る場合があるので、しっかり理解して実行して欲しい。
私も、細かい制度をすべて理解している訳ではないので、確実なことは役所で確認してほしい。