Midnight at the oasis. -5ページ目
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酒場にて


マレーネ



酒場にて
                  中原中也


今晩あゝして元気に語り合ってゐる人々も、

実は、元気ではないのです。



近代(いま)といふ今は尠(すくな)くも、

あんな具合な元気さで

ゐられる時代(とき)ではないのです。



諸君は僕を、「ほがらか」でないといふ。

しかし、そんな定規みたいな「ほがらか」なんぞは

おやめなさい。



ほがらかとは、恐らくは、

悲しい時には悲しいだけ

悲しんでられることでせう?

されば今晩かなしげに、かうして沈んでいる僕が、

輝き出でる時もある。

さて、輝き出でるや、諸君は云ひます。

「あれでああなのかねえ、

不思議みたいなもんだねえ」。

が、冗談じゃない、

僕は僕が輝けるやうに生きてゐた。

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上記は、中原中也の未刊詩。

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