緊急と時間と憂鬱と 043 | れびりんす

れびりんす

人生という迷宮と向き合う日々の記録と記憶と何か。

 
 
 
 
 
 あなたは大切なものを失った。
 
 
 
 彼女は確かにそう言った。
 私にはその意味がわからない。
 
 今回も、これまで同様、わかる限りの情報をスケッチブックに書き出した。
 思いつくすべてを。
 
 一番始めは、そう。
 殺人事件をシュアンから聞いたところ。
 あの時、光平は一緒にいた。
 
 いや、落ち着こう。
 まずは事実、起こった出来事から順に書き出す。
 
 3件の殺人事件が起きた。
 1件目は、8月2日20時頃、被害者は5歳の少年。
 2件目は、8月10日20時半頃、被害者は9歳の少女。
 3件目は、8月15日21時頃、被害者は13歳の少女。
 
 私と未知と光平で、シュアンから殺人があったと聞いたのが8月3日
 つまり第一の事件の翌日。
 
 そして、空山光平の異変に未知が気付き、私と大気を呼んで集合したのが8月9日
 この日は光平も後から来た。
 
 翌日、10日は私と未知の二人がたまり場にいた。
 この日は初めて不思議な二人組がたまり場で見た日。
 シュアンとのやり取りも妙に気になった。
 
 更に翌日の11日。
 光平の異変が再び露呈。
 たまり場でそれを聞いた大気は、すぐに店を出た。